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ハンブレッダーズの曲を聴くと、人生のあらゆる場面が音楽とともにあったことに改めて気づく。凹んだ時に音楽が前を向かせてくれたことを思い出す“ビートアディクション”。音楽によって景色が色づく喜びが蘇る“DANCING IN THE ROOM”――このアルバム全体を通して、ストレートで気持ちいいバンドサウンドと音楽への愛に溢れた歌詞で、「音楽が好きだ」という根源的な気持ちに立ち返らせてくれる。そう思えるのは、他ならぬムツムロアキラ自身が幾度となく音楽に救われ、やさしく強いロックヒーローにときめき続けているからだろう。一方、昨年2月にSGリリースされ、今作の最後に据えられた“THE SONG”では、「ハンブレッダーズこそがそんな存在になる」という意志が見える。《僕の歌の役割は君の伴奏と/何もないとこでつまずいた時の絆創膏》《これっぽっちの文字数で戦闘機よりも速く/絶好調にしてやる ヘッドフォンをしろ!》。ロックヒーローに憧れた少年は今、決意とともにやさしく強い音を鳴らしている。(藤澤香菜)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)
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