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幼少期からゴスペルクワイアで活動していたFurui Rihoの歌声は、ひと言で言うなら「完璧」。彼女にとって生きることと歌うことは同義なんだろうなと思えるほど、すべての楽曲が自然に響いてくる。そんな歌声で《それでいいんだこれでGood》(“LOA”)と自己肯定へと導いてくれる力強い説得力も魅力的だが、私が彼女に惹かれる理由はそれだけではない。自ら作詞作曲を手がけて、渦巻く葛藤を搔き分けながら前進する物語も、自分自身と身の回りに向けた大切な想いも歌に込めていく――それこそ、生きるように。そんな姿勢が伝わってきて、グッとくるのだ。《きみが嫌いな ピンクの髪色/これだけ言うわ/(Sorry but I love my hair)》と、象徴的でポップなワードで、自分自身を大切にすることを軽やかに歌う“ピンクの髪”。地元・札幌に対する気持ちを素直に綴りながら、《結局どこだって自分次第》と、やはり自分自身を軸とする“SAPPORO TOKYO”。旅立ちの季節に、春風のように背中を押すメジャー1stフルアルバム。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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