最高に気持ちのいい若者たちだ!

デルフィック『コレクションズ』
2013年02月06日発売
ALBUM
「現代のマンチェスター」を代表するバンド、デルフィック、待望のセカンド・アルバム。
 
大きな話題を呼んだ09年のデビュー・シングルは「名門テクノ・レーベル」R&Sからのリリースだったし、大ヒットしたファースト・アルバムでも基本的にアッパーなエレクトロニック・ビートが印象的だった。それゆえ最初ざっと本作の前半あたりまでを聴きながしたときは、少し戸惑った。1曲目のタイトルが“オブ・ザ・ヤング”というわりに若さゆえの疾走感が薄れた。しかし、ちゃんと本腰入れて聴きはじめて、もう一気に惚れなおした。スピードを少し緩めた分(車を運転してるときがそうであるように)視界がぐっと拡がって、より広い世界をその表現に内包することに成功した。
 
DFAの片割れティム・ゴールドワージーがプロデュース陣に加わってはいるが「ダンス・ミュージック」より(彼も関わっていた)UNKLEの中期に近い。もうひとりのプロデューサー、ベン・アレンはアニマル・コレクティヴも手がけた人。なるほど。スペイシーでキャッチーなメロディーの魅力は今回も炸裂! やっぱ、こいつらグレイト! (伊藤英嗣)