JAPAN最新号の取材後記(UNISON SQUARE GARDEN、[Alexandros]、秋山黄色、jo0ji)

JAPAN最新号の取材後記(UNISON SQUARE GARDEN、[Alexandros]、秋山黄色、jo0ji)
今月号で僕がインタビューを担当したのはUNISON SQUARE GARDEN、[Alexandros]、秋山黄色、jo0jiの4組です。

UNISON SQUARE GARDENは20周年を振り返るインタビューでしたが、20年前の下北沢のライブハウスシーンは当時から本誌も一生懸命に盛り上げていたし、「フェスに育てられた世代」という言葉も、そういえば20年前はロッキンもどんどん開催日数やステージ数を増やした時期だし、僕もいろんなことを思い出しながら楽しくも懐かしい気分でインタビューしました。そんな時代を勝ち抜いてきたUNISON
SQUARE GARDEN、あらためて20周年おめでとう。

[Alexandros]のJAPANでのインタビューは、僕個人的には10年以上ぶりでした。洋平とはフェスのバックステージで話したり、洋楽誌ロッキング・オンでは『洋楽新世代バンド特集』でインタビューしたりしてるのですが、じっくりとアレキについて話してもらうのは本当に久しぶりでした。しかも今回は磯部くんとのペアというレアバージョン。ちょうど再びバンドのプリミティブパワーが爆発している時期なのでまるで昔のようにロックなインタビューになりました。楽しかった。

秋山黄色のインタビューは一転して非常に赤裸々でシリアスなインタビューになりました。テーマは死と絶望と痛みですからね。もしかしたら、今の時代のラブソングやポジティブなメッセージソングに慣れ親しんだ人にはショッキングな内容に思えるかもしれません。でも、音楽はあらゆる感情やテーマを表現するアートです。生も死も、希望も絶望も、喜びも痛みも、音楽表現の世界の中では等価です。だから、その作品について語るインタビューも、生や希望や喜びを語るのと同じように死や絶望や痛みを語るのはとても当たり前のことです。今の音楽シーンにはそういう場面は少ないのかもしれないけれども、僕には秋山黄色の表現や今回のインタビューでの言葉はとても自然でリアルなことだと思います。ロックアーティストの作品とは、インタビューとは、こういうものだと思います。

jo0jiのインタビューはこれが2度目。前回のときも今もまだ漁港で働いていていますが、一曲ずつ、ライブ一本ずつを丁寧に重ねながら、まさに一歩ずつ歩んでいるjo0jiの足取りと考え方が伝わるインタビューになったのではないかと思います。jo0jiはこれから遠からぬ先にとてつもなく大きな存在になっていくアーティストです。最近ではそういうアーティストは最初から曲がとんでもなくバズるとかSNSで情報があっという間に行き渡るとかいう形で「消費」されるところから始まりますが、jo0jiの場合はまるで昔のアーティストのように、少しずつレベルアップしながら、少しずつ支持と評価を高めて、来たるべき大きなステージに向けて健全にスケール感を増していっている、そんな印象を僕は持っています。これまで発表している曲はいつの間にか10曲を数え、そのどれもがいつどこから火が付いてもおかしくないぐらいの独自性とクオリティーを放っています。ポップシーンの次の時代を担う力を今まさにつけている、そんな印象を今回のインタビューでも感じました。

というわけで、ひたちなかのロック・イン・ジャパンと同時進行しながら東京でのインタビューもとても充実していた今月でした。
ロッキング・オン・ジャパン最新号、よろしくお願いします!(山崎洋一郎)

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