前回のアリーナツアーを観た感想として、「Vaundyのライブではただでさえ観客一人ひとりの想いがすさまじいのに、それが38,000人ぶん集まって、ただならぬ熱気を生んでいた」と書いたけれど、今回のライブハウスの「一人ひとりの想い」の総量はもはやアリーナクラスだったんじゃないかなと思う。客席に委ねられたメロディをバカデカい声で完璧に歌いこなすVAWSの想いと、それを圧倒的パワーで跳ね返すと同時に抱き留めるようなVaundyの歌。ステージと客席が魂でぶつかり合い繋がり合う、とにかく熱い夜だった。
ライブキャリアスタートとほぼ同時にコロナ禍に突入し、有観客ライブのキャパシティは瞬く間にホールやアリーナに達したVaundy。今やドームツアーを控える彼がライブハウスツアーをやることは、「今もみんなの近くにいるよ」というメッセージのように思えるし、その「近さ」をキャパシティに限らず感じられるのがVaundyのライブのすごいところ。Vaundyが全身全霊で歌を届ける限り、そして僕らがそれに負けじと声を上げる限り、ドームもある意味ライブハウスになるんだろうな、と再確認できたライブだった。(畑雄介)