日本未デビューながら、とことん陽性のサウンドとチャーミングなキャラクターで、サマソニのステージに大勢の観客を呼び寄せたLA発ライアン＆セブの2人によるキャピタル・シティーズが満を持して日本デビュー。この号が出た直後にはエレクトロックス＆単独公演で再来日、新たなファンを獲得しているはず。

グラミーのベスト・ヴィデオ賞に“セーフ・アンド・サウンド”がノミネートされた。本人達は登場しないMVである。そのことが物語っているのはまず、SNSやブログ上でシェアされてキャピタル・シティーズの存在が広まったということ。そして、EDMサウンドと一見同じようにこの曲が聴こえつつも、実は少し前のダンス・ミュージックに比べたらBPMを落としたものでメロウであり、そしてそれがメインストリームのトレンドになったということだ。本作がデビュー・アルバムながら、かなり下積みが長い。シーンの流れをかなり分析したうえで、色褪せない踊れる音楽を作ることを命題にしたユニットなのではないかと思う。そういう意味でも、ロック・リスナー的には充分肩入れしてもらって間違いない。（羽鳥麻美）