
(ROCK IN JAPANに向けて)「あっちのライヴも良かったかもしれないけど、こっちも最高だったよ」っていう時間にするように頑張りたいです(やつい)
「こういう雰囲気って今までのロッキンになかったな」って思っていただきたい。せっかくなんで爪痕を残しつつも、新しい雰囲気を僕の時間で作っていきたい(DJ和)
──「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に関しては、和さんは去年が初出演でしたよね。あの時、ツイッターでお客さんからリクエストを募って、リアルタイムで反映していたのが印象的だったんですけど。
DJ和 やりましたね。ツイッター上でも盛り上がっているようにしようと思ったので(笑)。僕の前のDJさんと僕の時間の間に転換があるから、お客さんを集めるためにも盛り上がっている風にしたいと思って。だから「みんなリクエストください。その場でかけるから」っていうのをやったんです。
やついいちろう 面白いですね。リアルラジオだ。
DJ和 アニソンのイベントとかでもそういうのをやることがあります。ホワイトボードを置いておいて、リクエストを書いてもらったりとか。
やついいちろう 僕が最近やっているのは、真っ白なCDを作っておいて、「何がかかるかわからない」っていうの。
DJ和 自分でも何がかかるかわからないっていうことですか?
やついいちろう そう。「何が入っているかわからないけどかけてみます」ってお客さんに言って、すごくいい曲がかかったら異常に盛り上がるんですよ。曲を選んでもいないDJ(笑)。意外なことをしたいっていうのもあるんですよね。僕、芸人だし。
DJ和 やついさんのDJはTRFの"survival dAnce ~no no cry more~"の時、お客さんに一旦しゃがんでもらうのが大好きで。
やついいちろう 多分、「そうやったほうがいいんじゃないか?」って思ってやり始めたんでしょうね。それが妙にハマって、今はそれをやんなきゃいけない感じになってきているんですけど(笑)。僕は最近、自分しかやらないことをやりたいなとすごく思うようになっています。前は「盛り上がっている感じをずっと作ればいいのかな」という感じだったんですけど、最近は「この曲でこういうことをやるのは他ではない」みたいな方が面白いんじゃないかなと思ってきていて。何がかかるかわからないCDもそういうことなんです。いつもかかる鉄板の曲も、たまたまかかると感動がひとしおですから。
DJ和 たしかにそうでしょうね(笑)。
やついいちろう ルーレットのようなギャンブル性が入ると異常に盛り上がるんですよ。特にスーパーとかでやると、みんなDJに興味ないですから(笑)。
DJ和 (笑)僕はたまに高速道路のサービスエリアでやることがありますけど。他の人が回したことがないところで回したいっていう気持ちもあるんですよね。
やついいちろう 僕、生鮮食品の前とかで回していますよ。野菜買いながらイエーイ!とかならないでしょ?
DJ和 買い物のカゴを持ちながらとかですよね?
やついいちろう そう(笑)。大根持って踊る東農大のフェスじゃないんだから。それ考えると、クラブってすごくやりやすいですよ。
DJ和 僕らにとって天国のようなところですよね。お客さんは楽しむための準備をして来てくれるわけですから。だから守られているような感覚があります。やついさんにとって、フェスもそういう場所じゃないですか?
やついいちろう 僕はフェスに育ててもらいましたからね。MIX CDを出したきっかけも、ロッキング・オンさんのフェスに出ていたことがきっかけですし。そういう点で言うと「ROCK IN JAPAN」とか、ホームって言うよりもマザーですよね。親? 子宮みたいなもんですよ。最初はほんとに渋谷さん(渋谷陽一。ロッキング・オン主催の各フェスの総合プロデューサー)の一存で出たんですから。「フェス、行かせてください」って言ったら、「じゃあ、なんかやって」って言われて。それでDJとして出ることになったんです。最初の時は出演者としてクレジットされていないです。レジデントDJの方の時間を30分いただいてやったので。僕の名前、マジックで手書きされていました。
DJ和 そうだったんですね(笑)。
やついいちろう 最初はたしか冬の「COUNTDOWN JAPAN」だったんですよね。そこから、ありがたいことに夏の「ROCK IN JAPAN」も含めて出させていただいています。だからDJのやり方は、ロッキング・オンのフェスをイメージして作っているところもあります。物まねの方がいろんな営業でやってきたことをTVの特番で見せるような感じで、僕もいろんなところでやってきて面白かったことを「ROCK IN JAPAN」とかでやったりしています。逆にむしろ、ロッキング・オンのフェスで生まれたこともありますし。去年の「COUNTDOWN JAPAN」では、早替えをしたんですよ。
DJ和 衣装の早替えですか?
やついいちろう そう。『アナと雪の女王』の衣装を作ったので、もったいないので着ようと思って。でも、僕はひとりなので、着替えている間を繋ぐダンサーとかがいないんですよね。たまたまKjがその場にいたので、彼の曲をかけて僕がステージからいなくなったところで出てもらいました。
DJ和 新しすぎますよ(笑)。たまたまいらっしゃったんですか?
やついいちろう うん。観に来てたの。出てくれたKjの優しさを感じました。「なにやってんの!? DJがなんで着替えてんの!?」って言われましたけど(笑)。
DJ和 (笑)フェスのお客さんって、クラブのお客さんとはまた違った楽しみ方をしていますよね?
やついいちろう うん。みんな楽しむことへの気持ちが強いから。
DJ和 みんな楽しみたくてうずうずしているのを、去年の「ROCK IN JAPAN」で感じましたよ。みんなの「1日をどれだけ楽しむか?」っていう気合を目から感じたので、それにちゃんと応えたいと思いました。
やついいちろう でも、シビアな現場でもあるんですよね。
DJ和 そうですね。
やついいちろう 楽しくないと帰っちゃうから。楽しみたいことへの想いが強いぶん、怖い部分もある(笑)。クラブだと、来たからにはその場にいてくれる感じもあるけど。
──今年もおふたりは「ROCK IN JAPAN」にご出演されますが、どんな意気込みで臨みますか?
やついいちろう まあ、お母さんに会いに行くような気持ちで。
DJ和 子宮に戻るような?(笑)。
やついいちろう そんな感じ(笑)。でも、ほんとスペシャルな場所ですからね。あれだけたくさんの人たちが楽しみに来ているわけですから、みんなで楽しく過ごせるものにしたいですよね。同じ時間に他のステージでライヴがあるわけで。僕のところに来てくれたということは、他の場所でのライヴを観られなかったっていうことじゃないですか。それで、「あっちに行けばよかった」って思わせてしまったら申し訳ない。「あっちのライヴも良かったかもしれないけど、こっちも最高だったよ」っていう時間にするように頑張りたいです。
DJ和 僕は「ROCK IN JAPAN」に去年初めて出させていただいて、今年は2回目。新しい風を吹かせたいと思っています。「こういうDJ、今までいなかったな」とか「こういう雰囲気、今までのロッキンになかったな」って思っていただきたいです。爪痕を残しつつも、新しい雰囲気を僕の時間で作っていきたい。だから今までの「ROCK IN JAPAN」では流れてなさそうな曲とか、僕じゃないとできなそうな曲も流したいですね。ツイッターリクエスト以外のネタも何か考えて、みんなを巻き込んで楽しめるものにしたいです。
やついいちろう 雪の女王の衣装を貸しましょうか?
DJ和 かぶっちゃうじゃないですか。
やついいちろう 大丈夫だよ。僕、夏は着ませんので。
DJ和 じゃあ、僕が夏の女王として?(笑)。まあ、その日しかないようなことを何か考えようと思っています。
