HYDE、早くもリリースされる新たなロックアンセム“MAD QUALIA”。新作に込めた闘志と未来のビジョンを語る


自由な選択をしていった結果、という感じです


――2月にシングル『ZIPANG』が発売されたばかりですが、早速3月20日にニューシングル『MAD QUALIA』がリリースということで。

「はい、そうですね」

――シングルをこれだけ続けてリリースするっていうのは、再始動当初から考えていたことだったんですか?

「その時にひとつひとつできることを考えていったらこうなったって感じですね。まず、ツアーをやることが決まっていたので。これ、ツアーまでにアルバムは間に合わないなあ、ってなった時に、たとえば、まずツアーでやる曲は必要だから、レコーディングはしなくても一旦とりあえず曲だけ集めようとか。そこから、じゃあアルバムはできなくてもシングルは出せるよね、だったらシングルいっぱい出していこうぜとか考えていって」

――なるほど。決めていたわけではなくて。

「だから、その時々に自由な選択をしていった結果という感じです」

――前回『ZIPANG』のインタビューでも仰ってましたが、ソロの活動の特徴として、やっぱり自由さっていうのをすごく感じますね。

「そうですね、その時々、自分ひとりの判断でいけるので、自由さはありますね」

――活動をしていくうえでやりやすいようにやっていって、それが成功だったなって手応えはあります?

「うん、ありますね」

――“ZIPANG”から一転、今回の“MAD QUALIA”はほんとにストレートなロックで、かつサビはメロディアスという、HYDEさんの得意とするところがいかんなく発揮されてるなあという印象の楽曲になりましたけど、この曲をシングルに選んだ経緯は?

「僕的に好みの曲だったっていうのもありつつ、タイアップの関係もあって、リリースすることが先に決まってたんで、それに向けて理想的な曲を、という感じですね。あとは、やっぱりライブで盛り上がるような曲がいいなあと思ったんで」

――これまでストックしてる中から選んだんですか?

「いやいや、『デビル メイ クライ 5』のタイアップをめがけて作った曲です。ストックもいろいろあったけど、それに合うような曲がなかったんですよ。だから、締め切りまでにかっこいい曲を作ろうと思って、結構締め切り間際に頑張って作ったって感じですね」

――じゃあ、去年の忙しい中で制作していったんですね。

「そうそう。僕自身で曲を完成させることができなかったんで、今回はShoくん(MY FIRST STORY)が作ってくれた曲があって、そこにメロディをはめていった感じですね。“FAKE DIVINE”もそうだったんですけど。あと、今回は唯一、外国のプロデューサーを使わなかったんです。だからそのぶん気合い入れて、自分たちでアレンジしていくって感じでした」

――外国のプロデューサーが入らないって久しぶりなんですか?

「今回が初めてですね」

――そうなんですね。たしかに、そう言われると仕上がりの感触が違いますよね。ヘビーさの中にポップさも感じるというか、聴いていて体に馴染みやすい感じがします。

「うんうん」


海外進出は、もう半分趣味みたいな感じですね。それがなければ目標がないので


――すでに2018年末からライブでも披露されてますけど、手応えとしてはいかがですか?

「最高ですね!」

――おお! 思い描いていたライブでのリアクションが得られてますか?

「まあ、まだ爆発するまではいたってないですけどね。新曲だから、まだみんな聴き入ってる感じなんで。でもシングルとして出たあとは、さらに爆発すると思いますよ」

――ライブですぐ浸透しそうなキャッチーさもありますよね。楽曲自体は楽しいですけど、歌詞を見ていくと、孤独感とか、疎外感が感じられる内容で。振り返ると、一連のソロシングルでも、やっぱりそういう孤独感とか、自分の道を進むために闘ってる感が感じられたんですけど、今HYDEさんが歌詞として表現したいものって、どういうところですか?

「うーん、どうですかね。結構激しい曲が多いから、やっぱり怒りとかがメインになっちゃうよね。特にアメリカとかって、めちゃくちゃポップな曲でも怒ってるからね(笑)」

――たしかに(笑)。

「ずっとみんな怒ってるから」

――その影響もあると。でもやっぱり、元になる感情がHYDEさんの中にあるわけですよね。

「普段の日常を生きていて、自分的には理解できないこととか、そういうものがやっぱり歌詞を書くタイミングで浮かび上がってきたりするから、それをかたちにしていくってことですね」

――楽曲もそうですし、歌詞もそうですし、ソロになって自分の中から出てくるものをかたちにする時に、今何が一番モチベーションになってますか?

「基本は、やっぱり曲も詞も、海外的な戦略の中のひとつとして、ですね。あとは、もうそんなに長くも続けられないんで、現状でどういうことができるかなっていうのを考えてやっている感じです」

――VAMPSの時から、海外でやっていくためにというのはずっと第一に仰ってますけど、それはソロになっても変わらず?

「そうですね。それはVAMPSの時からまったく変わってないです。VAMPSが止まっちゃったんで、仕方なくソロで、もう一度同じスタンスになって、さらなる飛躍を目指してる感じです。僕なりのやり方でやっていこうと。もう(海外進出は)半分趣味みたいな感じですね。それがなければ目標がないな、みたいなところがあるんですよ」

――モチベーションとして必要なんですね。

「というか、それがメインなので。だからそれを主軸にしながら、音楽でいろいろ遊んでる感じですかね」


プロになって25年くらい経って、その時々の思い出をお客さんとお互いに思い浮かべながらやってる感じです


――なるほど。今回のカップリングはL’Arc~en~Cielの楽曲“HONEY”のセルフカバーです。ソロ再始動当初からライブでもやっていて。ROCK IN JAPAN FESTIVALで観て、イントロのアレンジも含めて驚きました。

「ふふふ」

――この曲をそもそもライブでやってみようと思ったきっかけは?

「フェス対策です(笑)」

――まさに!なんですね(笑)。やってみた感覚はいかがでしたか?

「まあ、反応はすごくいいですよね、やっぱり。いい起爆剤になりますよね。ラルクの曲をフェスでやるってこれまであんまりなかったことなので……そこはソロだからこそ、というか。自由にやらせてもらってる部分ですね」

――みんなで歌える部分があったり、フェス向けっぽいアレンジも効いてますよね。

「アレンジは、まあバンドの色が変わりすぎても良くないと思って。今のアレンジだとギリギリいけるかなって」

――そんな手応えもありつつ、カップリングに収録しようという?

「カップリングに入れるのはスタッフのアイディアだったんですけどね。まあそれもいっか、って感じです。歌わせるパートとかあったりするんで、音源があったほうがいいのかなっていう」

――COUNTDOWN JAPAN 18/19では、“HONEY”に加えて“HEAVEN’S DRIVE”も披露されていて。めちゃくちゃ盛り上がってましたね。

「“HEAVEN’S DRIVE”はフェス側からやってくれって話があったんですよ。だから、しょうがねえなあって(笑)」

――そうだったんですね! ありがとうございます(笑)。そのほかでも、「黒ミサ」で『ROENTGEN』(2002年にリリースされたHYDE名義の1stアルバム)の曲をやったりされてますし、ご自身の全キャリアから歌ってみたい曲をアレンジして歌うことって、今結構新しい刺激になってるところもありますか?

「いやあ、やっぱりそんなにやりたいわけじゃないですけどね(笑)」

――そうですか(笑)。でも特に「黒ミサ」ではいろんな時代の楽曲を歌われてますよね。そのセレクトの基準というと?

「あれはボーダレスで考えて、自分が歌いたい曲を選んでます。歌いたい曲だし、節目となった曲、かな。思い出の曲だったりとか……そういう曲で選んでいっただけです」

――昔の曲を歌ってみるのはいかがでしたか?

「僕もプロになって25年くらい経つと思うんですけど、やっぱり、お客さんの中にもそういう時代をともに生きてきた人が結構な人数いらっしゃるんで、その時々の思い出をお互いに思い浮かべながらやってる感じですよね。昔の曲でも比較的出来がいいと思ってる曲をやってるんで、まあまあいい感触なんじゃないですか」


アルバムをいろんな人に聞かせてプロモーションするっていう活動を、国内外問わずやっていこうと思います


――『ZIPANG』のインタビューで、ライブではパフォーマンスよりもまず「歌」を第一に重視するように変わってきたとか、歌に対する向き合い方が最近変わってきたっていうお話がありましたけど、そういう流れの中で歌い直してみるって感覚もあるのでは?

「そうですね。当時だったらこんな歌い方しなかっただろうなっていうのはあります。それも楽しいですよね。今のHYDEが歌うとこうなるっていうところを見てもらいたいし、自分も楽しみながらやってます」

――で、シングルの連続リリースも今作で5枚になりましたけど、期待されるのがアルバムで――。

「っていうか、この『MAD QUALIA』の情報の中に、アルバムが6月に出るって載ってましたね」

――あ、本当ですね。特典の中の「MONSTERS CHANCE」の項目に「6月発売予定アルバムとの連動企画」があるという……。

「そうなんですよ。こんなにさらっと言っていいの?って僕もびっくりしてて(笑)。ファンの子もびっくりしたんじゃないかな?(笑)。まあ、そういうことなんですけども」

――たしかに(笑)。でも6月発売予定はうれしい情報ですね。これまで、タイミングごとにシングル曲を選びながらリリースしてきて、それをアルバムにまとめるとなると、どういう作品になりそうですか?

「やっぱり、もう基本ライブで盛り上がる曲を作ってきたんで。その路線は崩さないようになると思います」

――シングルの曲も5曲あって、ライブでやってる曲も多いですし、お客さん側からしても聴いたことがある楽曲がたくさん入ってることにはなりますけど、あらためてアルバムとしてまとめるからこそ、ここを変えようとか考えてますか?

「うーん、どうかなあ。でも、ライブでやっている時より練った状態で歌を聞かせたいなと思ってますよ。やっぱり今まで仮だったんでね、本チャンレコーディングすると、歌はガラッと変わるから。そこは楽しみだと思います」

――そうですよね。

「僕も今から楽しみですね」

――ライブでがっつり歌ってきた曲をあらためてレコーディングするってなかなか新鮮ですし。

「そうですね。歌ってみてしんどかったからもう1音下げようみたいなこともできるし(笑)」

――(笑)。引き算も足し算もできると思いますんで、ライブで聴いてきたお客さんも、そういう変化をもう一度楽しめるかもしれないですね。

「うんうん」

――海外での活動も含めてですけど、ソロアーティスト・HYDEのこの先のイメージってどういうふうに想像されてますか?

「しばらくは、やっぱり自分でHYDEというものをプロモーションしていかないといけないので。日本でも海外でも、フェスであったり、オープニングアクトでの出演だったりは、今年のメインにしていきたいなと思ってます」

――2018年もそういう露出は盛んでしたけど、2019年も引き続きという?

「いや、2019年もというか、去年はシングルが少ししか出てなかったんで、どうしても、1曲2曲とかしか、ライブの曲を知りようがなかったじゃないですか。今年はちゃんとアルバムが出るわけだから。基本的にいろんな人に聞かせてプロモーションするっていう活動を、国内外問わずやっていこうと思います。もちろん、ワンマンのツアーも予定してますけどね」

――そうなんですね! じゃあ2018年が、実はソロとしては助走みたいなものだったと。今年がアルバムをひっさげての――。

「本格的なスタートになります」

――いろいろと相当濃い活動をされていた2018年がまだ助走だったとは驚きました。ますます楽しみにしております。

「はい、そうですね。楽しみにしていてください」


HYDE“MAD QUALIA”:『デビル メイ クライ 5』コラボMV



リリース情報

New Single『MAD QUALIA』3月20日発売
デビル メイ クライ盤(初回限定)
【初回限定盤A(CD+コンセプトブック)】 UICV-9304 ¥3,024(税込) ※EPサイズ:7インチ四方
【初回限定盤B(CD+DVD)】 UICV-9305 ¥2,160(税込)
【デビル メイ クライ盤:初回限定(CD+DVD)】 UICV-9306 ¥2,160(税込)
【通常盤(CD)】 UICV-5079 ¥1,296(税込)
《収録曲》
 01. MAD QUALIA(Japanese Version)
 02. HONEY
《初回限定盤B DVD収録内容》
 “MAD QUALIA(Japanese Version)” MUSIC VIDEO & MUSIC VIDEO DOCUMENTARY
《デビル メイ クライ盤(初回限定) DVD収録内容》
 『デビル メイ クライ 5』とのコラボMV


ライブ情報

「Zepp Tokyo 20th Anniversary HYDE LIVE 2019」
2019年3月23日(土)、24日(日) 東京・Zepp Tokyo
 16:00 開場/17:06 開演
 お問合せ先:ディスクガレージ(050-5533-0888)

※チケット料金:1Fスタンディング ¥7,190(税込)
        2F指定席(オリジナルグッズ付) ¥10,800(税込)

「HYDE WORLD TOUR 2019 ASIA」
2019年3月27日(水) 上海
2019年3月29日(金) 北京
2019年3月31日(日) 成都
2019年4月2日(火) 香港
2019年4月4日(木) 台北

「HYDE U.S. TOUR」
2019年5月5日(日) Welcome to Rockville 2019 Metropolitan Park Jacksonville,FL
2019年5月7日(火) *Louisville Palace Theatre(Louisville, KY)
2019年5月11日(土) Epicenter Festival Rockingham Festival Grounds, NC
2019年5月13日(月) *The Sherman Theater Stroudsburg, PA
2019年5月14日(火) *Stage AE Pittsburgh, PA
2019年5月15日(水) *The Fillmore Silver Spring Silver Spring, MD
2019年5月17日(金) Cambridge MA
2019年5月19日(日) Chicago IL
2019年5月21日(火) *Verizon Center Mankato, MN
2019年5月22日(水) *The District Sioux Falls, SD
2019年5月24日(金) *Arvest Bank Theatre at the Midland Kansas City, MO
2019年5月26日(日) Los Angeles
(*Opening act for In This Moment tour)

「HYDE LIVE 2019」
2019年6月22日(土) 東京・Zepp Tokyo
2019年6月23日(日) 東京・Zepp Tokyo
2019年6月25日(火) 東京・Zepp Tokyo
2019年6月26日(水) 東京・Zepp Tokyo
2019年6月28日(金) 東京・Zepp Tokyo
2019年6月29日(土) 東京・Zepp Tokyo  *BEAUTY & THE BEAST
【お問合わせ】ディスクガレージ 050-5533-0888

2019年7月2日(火) 宮城・仙台PIT
2019年7月3日(水) 宮城・仙台PIT
【お問合わせ】キョードー東北 022-217-7788

2019年7月6日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
2019年7月7日(日) 福岡・Zepp Fukuoka
【お問合わせ】キョードー西日本 0570-09-2424

2019年7月9日(火) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
2019年7月10日(水) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
【お問合わせ】キャンディープロモーション 082-249-8334

2019年7月13日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2019年7月14日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2019年7月16日(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2019年7月17日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2019年7月20日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside  *BEAUTY & THE BEAST
2019年7月21日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside
【お問合わせ】キョードーインフォメーション 0570-200-888

2019年7月24日(水) 愛知・Zepp Nagoya
2019年7月25日(木) 愛知・Zepp Nagoya
2019年7月27日(土) 愛知・Zepp Nagoya  *BEAUTY & THE BEAST
2019年7月28日(日) 愛知・Zepp Nagoya
2019年7月30日(火) 愛知・Zepp Nagoya
2019年7月31日(水) 愛知・Zepp Nagoya
【お問合わせ】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

2019年8月31日(土) 北海道・Zepp Sapporo
2019年9月1日(日) 北海道・Zepp Sapporo
【お問合わせ】マウントアライブ 011-623-5555

平日 OPEN 18:00 / START 19:06
土日 OPEN 16:00 / START 17:06
※開場 / 開演時間は予定です。変更となる場合があります。



提供:UNIVERSAL MUSIC
企画・制作:ROCKIN’ON JAPAN編集部