4月から放送されたTBS系火曜ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』主題歌"I wonder”は現在TikTokで7億回再生を記録……と、今年メジャーデビュー10周年を迎え益々その勢いに拍車がかかっているDa-iCE。
7月には、TVアニメ『FAIRY TAIL 100年クエスト』OPテーマソング”Story”と、「キリンレモン」キャンペーンソング”イミテーション”を収録したデジタルシングルをリリースした。
メンバーの和田颯が作詞作曲を担当した”Story”は、アグレッシブなロックサウンドとダンサブルなチューンがスクラムを組むようにがっしり絡み合い、花村想太、大野雄大の歌唱が極限のカーチェイスさながらに疾走するロックチューンだ。
Da-iCEが虎視眈々と磨いてきたロックナンバーは間違いなく彼らの武器の一つであり、ここぞとばかりの起爆剤となって我々リスナーの欲求を丸呑みにして喰らい尽くすかのごとく堂々と鳴り響く。
代表曲“CITRUS”と同じ撮影スタジオで撮影されたMVからも彼らがとどまることなく臨戦態勢を取り、「攻め」のモード全開で10周年を駆け抜けようとしていることが観てとれる。
対して、誰もが聴き馴染みのある「キリンレモンのうた」を大胆にリバイバルアレンジした楽曲“イミテーション”は、グループのリーダーでもある工藤大輝が作詞作曲を担当。
代表曲“CITRUS”や”スターマイン”を手掛け、"I wonder”でも作詞に参加している工藤が手掛けた今作は、「そんなスイッチも持ってたの!?」と驚くほどのポップセンスをもってキャッチーなフレーズをDa-iCEのフィールドに落とし込んだ至極の一曲だ。
炭酸飲料を彷彿とさせる「弾ける」「泡」といったキーワードを音と歌詞双方で巧みに表現、ノスタルジックでカッティングエッジな聴き心地を楽曲全体で響かせながら、シンガロング、ラップ、クラップ、突き抜ける歌メロ、自由と一体感が表裏一体となったダンス──をわずか2分半に落とし込むこのセンスは、築き上げてきた10年が成せる業だろう。
改めてここに来て、今のDa-iCEの無敵感に嬉々として酔いしれたい。(橋本創)
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Da-iCEの歌が、曲が、ダンスが今、極限まで拡張している──最新曲”Story”“イミテーション”で示す無敵感
2024.08.13 12:00