トラックメイクをtakachi(muque)、歌詞・メロディを紫 今とAsakura(muque)が手がけた“ブルーチーズ”は、エレクトロハウスを基調にしたサウンド、どこか倒錯的な恋愛感情を描いた歌詞が響き合うダンスチューン。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026(9月19日)のmuqueのステージで初披露されたこの曲は、新世代のアンセムになる可能性を十分に秘めている。
ROCK IN JAPANのステージを終えたばかりの紫 今とmuqueをキャッチし、対談インタビューを敢行。両者の関係性と“ブルーチーズ”の制作プロセスについて語ってもらった。インタビュー=森朋之
──先ほどROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026のmuqueのステージに紫 今さんがゲストとして登場。コラボ曲“ブルーチーズ”を初披露しましたが、手ごたえはどうでした?紫 今 こんな大舞台で披露できて嬉しかったです。“ブルーチーズ”の制作もそうだったんですけど、青春した!って感じでした(笑)。Asakura(muque/Vo・G) 楽しかったです。楽曲のリリースと今ちゃんのゲスト出演はSNSで告知してたから、お客さんも期待してくれてたみたいで。今ちゃんがすごくインパクトのあるメロディを作ってくれて、未リリースの曲とは思えないくらい盛り上がってましたね。takachi(muque/Track make・Dr) 僕らは普段、結構クールな音源を作りがちなんですけど“ブルーチーズ”は今ちゃんがいい温度感を詰め込んでくれて。ライブではロックな感じになって、ステージにもマッチしてましたね。今ちゃんとAsakuraの絡みもすごくよかったし、それに乗っかってこっちのテンションも上がって。楽しかったです。Kenichi(muque/G) Asakuraが今ちゃんを呼び込んだときの歓声がとにかくすごくて。紫 今 そうそう。気持ちよかった!Kenichi めっちゃブチ上がりました。ライブで初披露するときはどうしても硬くなっちゃうんですけど、今日はぜんぜんそんなことなくて。アウトロで今ちゃんがフェイクして、それに合わせてギターで自分の色を出せたのもよかったです。紫 今 バチバチだったね(笑)。Kenichi ドーパミン出っ放しでした。──めちゃくちゃかっこよかったです! 紫 今さんとmuqueのみなさんは以前から交流があったとか。出会いはいつですか?Kenichi 2024年2月ですね。紫 今 「ざわめきプレイリスト」だよね。Kenichi そう。Chevon、CLAN QUEEN、muque、紫 今でイベントをやって。takachi 大阪の(Music Club)JANUSですね。あのときが初めましてでした。Asakura 初対面のときの今ちゃん、めっちゃギャルだったんですよ。紫 今 え、そうだった?(笑)Asakura うん。楽屋で「鏡、いいですか?」「どうぞどうぞ」みたいな感じになったんだけど、「ギャルだなー」って思った(笑)。Kenichi 髪色、黒じゃなかったしね。紫 今 あ、金髪だったかも。だからギャルに見えたんじゃない?Asakura 中身もギャルっぽかったよ(笑)。紫 今 あー確かに私、初対面のときにギャルのマインドで乗り越えようとしちゃうことあるかも。takachi 2回目に会ったときも結構ギャルだったよ(笑)。imaseとかと一緒にごはん食べたとき。紫 今 まだ人見知りしてたのかも(笑)。今は自然体で仲良しです。takachi 去年の8月に「若者のすべて」というイベントでも一緒になって。打ち上げでカラオケ行ったんですけど、そのとき今ちゃんが宇多田ヒカルの曲を歌ったんですよ。紫 今 “First Love”ね。Kenichi めっちゃよかった。耳が幸せでした(笑)。紫 今 よかった(笑)。じゃあ、今の私の印象はどうですか?takachi しっかり気を遣える人というか、空気を読む能力がすごいなって。最初の頃は「周りを気にせず、突拍子もないことも言えちゃうよ」みたいな感じだったんだけど(笑)、ちゃんと周りを見て、言葉を選んで発言してるんだなって。Asakura 初めましてのときはギャルっぽい感じで距離を縮めようとしてくれてたんだなって、今になると思いますね。紫 今 恥ずかしくなってきた(笑)。私の自認としては、末っ子キャラだと思ってるんだけど。Kenichi そうなの?(笑) しっかり者じゃない?Asakura そう、すごくしっかりしてる。こういう現場でもウチらはすぐキャッキャッしちゃうんだけど、今ちゃんはいつもちゃんとしてるから。takachi コナンくんみたいな感じかもね。「あれれ~」って子供っぽい感じなんだけど、実はちゃんと見てるっていう。紫 今 めっちゃ面白い(笑)。私、MBTIがコナンくんと一緒なの。Kenichi そうなんだ(笑)。今ちゃんがすごくインパクトのあるメロディを作ってくれて、(ROCK IN JAPANでは)未リリースの曲とは思えないくらい盛り上がってました(Asakura)
──紫 今さんはmuqueの3人をどんなふうに見てるんですか?紫 今 私もそうだし、私の周りもみんなmuqueが大好きなんですよ。CLAN QUEENと仲がいいんですけど、「muque大好き。muqueに会いたい」っていつも言ってて。お金持ちになって家を建てたら、muqueの概念と家族になりたい。Asakura どういうこと?(笑)紫 今 (笑)なんかね、波動がいいんですよ。Kenichi 波動(笑)。紫 今 3人のエネルギーがすごくきれいで、清らかで。それが楽曲やパフォーマンスに出ているし、だからこんなに愛されてるんじゃないかなって。もちろんmuqueの音楽も大好きです。このまま3時間くらい語れるよ(笑)。takachi 嬉しい。──muqueのみなさんは、紫 今さんの音楽についてどんな印象がありますか?takachi “ブルーチーズ”を一緒に作ったときも思ったんですけど、アーティストとしての自我やポリシーはもちろんありつつ、第三者的な視点で自分を見てるところがあるんですよね。作家的なところもすごくあるし、いつかアイドルとかをプロデュースするんじゃないかなって。紫 今 そんなこと言ってくれるの?(笑) 確かに私、自己分析する癖があるんですよ。作詞・作曲する自分、編曲家の自分、歌い手の自分、プロデューサーの自分、プロモーションを考える自分が互いに干渉し合ってるというか。「紫 今というボーカリストはこの音域の、こういう歌声がいいよね」とか「この曲だったら、こんなMVやこういうビジュアルがいい」みたいなことをひとりでやってるんですよね。Kenichi すごい。僕はもうシンプルに曲が好きですね。とにかくワンフレーズの強さがあって。“魔性の女A”の《クレオパトラも見惚れちゃう/魔性の女 フェイスラインがマドンナ》もそうだけど、一度聴くと耳から離れないし、口ずさみたくなる。Asakura 強いよね。Kenichi しかも分析力もすごくて。楽曲をどう拡散して、どんなふうにライブのパフォーマンスにつなげるかみたいなことを常に考えているし、アナリスト的な側面もあるのかなって。──Asakuraさんはどうですか?Asakura 歌詞の話になるんですけど、私は性別がわからない歌詞を書くことが多いんですよ。今ちゃんは女性にフォーカスした歌詞が多い印象があって、それがすごく羨ましいというか。自我を出すのではなくて、「この曲を聴いたら、あなたも自信を持てるよね」みたいな⋯⋯。──女性のリスナーの自己肯定感が上がるような。Asakura そこもちゃんと戦略として考えてるのかなって。女のボーカルとしていつも思うんですけど、女性にファンになってもらうのって、めちゃめちゃ難しいんですよ。今ちゃんはそれをしっかりやれていて、すごいなって思ってます。紫 今 ありがとう。今、私の自己肯定感が上がってます(笑)。Asakura 上げていこう(笑)。紫 今 今の話でいうと、私の中にいくつかの人格があって。女の子もいるけど、男の子もいるんです。なので男の子みたいな声や仕草で歌うこともあるし、女性らしさ全開でやる曲もあるっていう。自分の中に男がいるから、思い切り女をやることもできるのかも。Asakura そうだよね。話を聞いてて、そう思った。紫 今 女性に対して「この人、魅力的だな」と思うこともあるし、自分自身というより、憧れてる女性像を表現してる感じなのかも。Asakura そこも今ちゃんのすごいところだと思います。そういう視点があるから、楽曲提供とかもやれるんだろうなって。(muqueの)3人のエネルギーがすごくきれいで、清らかで。それが楽曲やパフォーマンスに出ているし、だからこんなに愛されてるんじゃないかなって(紫 今)
──では“ブルーチーズ”について聞かせてください。制作のきっかけはなんだったんですか?紫 今 私がみんなに「一緒にやらない?」って言ったんだっけ?Asakura そうそう。去年の12月の初め頃に、みんなで遊びに行ったじゃない? その帰りに「曲作りたくない?」って話になって。紫 今 そうだ! 「曲作りたくない?」って声をかけたら、みんなも「やりたい」って言ってくれて。ちゃんと実現させたかったから、まず事務所の人に話して、改めてスケジュールを確認しました。takachi ありがたい。やっぱりしっかりしてるよね。紫 今 muqueに対するリスペクトがあるし、せっかく「やりたい」って言ってくれたから流したくなくて。あと「今やらなきゃ」というのもあったんですよ。Kenichi プロデューサー的な目線で?紫 今 そういうところもあるし、野生の勘みたいな感じもあったかな。ウチらの長い人生の中で、一緒にやるなら今じゃないかなって。「青春は儚い」という気持ちもありました。今の私たちにしか作れないものを作りたいというか。Asakura いいね。