ブロークン・ソーシャル・シーン/スターズ @ 渋谷クラブクアトロ
2008.03.07 00:00
ブロークン・ソーシャル・シーン、復活!の来日である。何が復活なのかというと、一昨年、2006年のフジ・ロックで素晴らしいライヴを披露したあと、彼らは活動休止状態に入っていたのだ。ブレイクのあいだは各メンバーの「本業」が活発化。ファイストを筆頭にジェイソン・コレットやアポッスル・オブ・ハッスルなど、メンバーそれぞれがそれぞれのやりかたで作品を作り上げた。面白いのはどのソロ・アルバムにもブロークン・ソーシャル・シーンの仲間が力を貸しているところで、「ブロークン・ソーシャル・シーン・プレゼンツ」と銘打たれて昨年9月にリリースされたケヴィン・ドリューのソロ・アルバムに象徴されるように、ブロークン・ソーシャル・シーンは活動休止中とはいえ、いつもどおりかそれ以上にクリエイティヴな1年を過ごしたともいえるのだ。そんなBSSと、弟分的バンドであるスターズとのカップリング・ツアー最終日。スターズのメンバーもBSSに参加したりしているし、この組み合わせは当然ながら最高である。まず登場したスターズの、エイミー・ミランとトーキル・キャンベルのユニゾン・ヴォーカル(このふたりはそれぞれにソロでも活躍している)は迫力満点で、緻密に練り上げられたアルバムから受ける印象とはまったく違う、エキサイティングなライヴを見せてくれた。続いていよいよBSS。復活とはいえ今回の来日メンバーは男性のみ。ケヴィンとブレンダン・キャニングの中核メンバーを含む5人編成が基本だ(ケヴィンのソロの影響もあるのだろうか)。ここにファイストやエミリー・ヘインズ(メトリック)が入ってくるとぐっと華やかになるのだが、今回は完全にロックンロール・モード。重なり合うギター・リフにこのバンドの多面性がよく表れている。何だってやるし、やれるのだ。もちろんスターズのメンバーも参加するし、さらにはズボンズのドン・マツオや日本人のブラス隊も登場、この賑やかさ、そしてどんな色のミュージシャンも許容する懐の深さは、さすがBSSである。BSSとしての楽曲も、ケヴィンのソロ曲も、同じように消化して演奏するミュージシャンシップの高さに酔いしれているうちに、2時間のセットはあっという間に終わった。というわけでいうまでもなく素晴らしかったのだが、やっぱり、フル・メンバーでのライヴもまた観てみたい、とも思う。(小川智宏)