ザ・ピジョン・ディテクティヴズ @ 渋谷クラブクアトロ

2年ほど前から盛り上がりを見せた英国北部のヨークシャー・シーンで頭角を現し、期待の新人としてより広い層から注目を浴び、本国でデビュー・アルバム『ウェイト・フォー・ミー』がプラチナ・ヒットとなった、リーズ出身の5人組ザ・ピジョン・ディテクティヴズ。昨年のフジ・ロック出演以来となる2度目の来日は、待望の単独公演となった。ガレージやパンクからの影響を感じさせる部分もあるが、それらから影響されている他の多くの英国のバンドによくあるように、うつむいてギターをかき鳴らしたり、かっこつけたポーズを取ったり、といったことが、このバンドにはない。ザ・ピジョン・ディテクティヴズというバンドは、きわめてまっすぐで明るく、そのまっすぐさがポジティヴに振り切れているのだ。巻き毛の頭を激しく揺さぶりながら、Vネックの襟回りをがしがし引っ張りながらステージを所狭しとコミカルに駆けずり回るヴォーカル・マットは、決してクールとは言いがたい。けれど、終始見せる笑顔が何とも清清しく(汗だくなのに)、くるくると表情を変えるヴォーカリゼイションと相まって、観る者を惹きつける。バンドの演奏も時折足並みが揃わなくなって、イントロをやり直したりもしていたのだが、逆にそれが勢いとなって、フレッシュなサウンドをもたらしてくれる。5月にリリース予定とされている2ndアルバム『エマージェンシー 』からの新曲もたっぷりと披露、それらの新曲はどれもこれまでより数段突き抜けた明快なロックンロール・ナンバーで、迷いのなさが見て取れた。最初から最後まで手を叩き、大声で合唱するオーディエンスの熱量もすさまじく、コアなファンをしっかり味方に付けたバンドの今後から、目が離せない。(羽鳥麻美)
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