前回のツアーの3月7日渋谷クラブクアトロも観たし、ここで最速ライブレポートもしたのだが、今回は、まず、びっくりした。演奏そのものが、飛躍的によくなっている。
正直言って、クアトロの時は、ちょっと頼りなかったのだ。まともに全国ツアーをやったのは、初めてだったようだし、新人として考えると無理もないんだけど、デビューと同時にブレイクしたがゆえに、ある意味「新人として」以上の期待や注目を背負うことになったバンドがflumpoolであって、その期待に見合うだけのライブには、まだなっていなかったのだ。
曲のよさと気合いでなんとか形にはしていたが、「次はホール・ツアーやるのかあ……きついかもなあ」とか思ったのを、覚えている。失礼しました。そんなことありませんでした。ステージ上にはメンバー4人とサポートのキーボード、それから今回は新たにサポート・ギタリストも加わっている。そのギタリストの力でよくなった、というわけでもない。いや、よくなってるんだけど、そういう「上物が増えてよくなりました」みたいなよくなりかたではなく、バンドの根本を支えるリズムから太くなった感じ。で、リズムが太くなった分、あのメロディ、よりいっそう万能感が増していた。たった4ヶ月でこんな変わるもんなんだなあ、とつくづく思いました。ツアーはまだ続くので、曲名とか曲順とかは書けないが、まず何よりも書きたかったのは、以上のことでした。それから、もうひとつ書きたかったのは、アンコールを終えてステージを下がる時の、最後のMC。ボーカルの山村隆太は、「すごく楽しかったです。声が出ないところもあったんですけど……」というようなことを、言ったのだ。
確かに、彼は本調子ではなかった。ハイトーンのあたりが苦しそうな時もあった。が、それについてどうこう言いたいわけじゃない。大事なのは、それをわざわざ言った、ということだ。
それをわざわざ言ったことに対する、僕の感想は「あーあ」30%で「そうかあ」70%だった。30%の「あーあ」の方は、「なんで言っちゃうかなあ、黙ってれば気にしなかった人もいただろうに」ということです。で、70%の「そうかあ」の方は、「そうかあ、こういう人なんだなあ」ということです。
つまり、声が出なかったことに対して、くどくど言い訳はしたくない。でも、何事もなかったように知らん顔することもできない。なので、なるべく短く、でもはっきりと、最後に言った。そういうことだったのだと思う。正直な奴だなあ、と思った。そして、改めて、なんだかとても好感を持ちました。なお、クアトロ2デイズの次はC.C.Lemonホール2デイズだったわけだが、次の東京のワンマンは、10月22日&23日、日本武道館2デイズ、であることは、既に発表されている。
こんな短期間でこんなに駆け上がったバンド、近年に例がないのではないか。しかも、まるでそろえたように2デイズずつ、というのも、なんか律儀でいい。(兵庫慎司)
flumpool @ 渋谷C.C.Lemonホール
2009.07.08 00:00