THE CHEMICAL BROTHERS年に1回、毎年だいたいこの時期、1回目は横浜・八景島シーパラダイス、2回目からは幕張海岸に場所を移し、今年で4回目の開催となる『BIG BEACH FESTIVAL』。そもそもはファットボーイ・スリムことノーマン・クックが、地元UKはブライトンのビーチで20万人(!)を集めて行なっている『BIG BEACH BOUTIQUE』というビッグ・パーティーがあり、それを日本でも、ということで始まったもので、なので1回目のメイン・アクトはファットボーイ・スリム、2回目はケミカル、3回目はまたファットボーイ、4回目の今回はまたケミカル、という流れなんだけど、今回は初めての「日英同時開催」というトピックがありました。BIG BEACH STAGEで、トリのケミカルが始まる前にビジョンにイギリス会場のノーマン・クックの姿が映り、オーディエンスにあいさつする、という演出もありました。
って、このフェスの場合、というかこのフェスをRO69でレポする場合、「今年はどうだったか」とか「どのアクトがどうだったか」とかいうこと以前に、そもそもどんな感じのフェスであるのかから紹介した方がいい気がしてきた。毎年レポしてはいるんですが、それでも。なので、以下、思いつくまま箇条書きにしていきます。
・1年目は確か15,000人くらいだったと思うが、2年目・3年目と、動員は約2万人。つまり、相当でかい規模です。国内におけるレイヴ系/ダンス系のイベントとしては、最大なのではないかと思います。今年は、公式発表が何人だったのか、まだ知りませんが、なので私個人の「その場で見た感じ」による判断なので間違ってるかもしれませんが、例年と同じくらい、もしくはそれ以上、集まっていたと思う。
野外、海辺、東京圏、昼間、という方法でレイヴをやると、こんなに人が集まる。という事実を、1年目の時に目の当たりにして、「そうかあ、なるほどお」とか思ったが、そのままのコンセプトで順調に開催を重ねることができている、ということですね。
JOHN DIGWEED
SVEN VATH
BEARDYMAN ・で、そのお客さんたち、来るの、ゆっくりです。ってこれ、このフェスに限らず、ダンス系のイベントってそういうものですが。オープンの23時からクラブに行く人はあんまりいない、終電がなくなる1時くらいを目安に行くのが普通、というのと地続きの感覚なんだと思う。なので、16時くらいを目安に混み始めてきて、ケミカルの時間にはもうぎっしり、ということになる。僕は、「BIG BEACH STAGE」の2番手のジョン・ディグウィードを聴きたかったので(最近ごぶさたしてたけど、以前この人にハマってミックスCDや12インチをよく買っていたのでした)、早めに行った。で、スヴェン・バスも聴いて、BEARDYMANのライヴ(ブレイクビーツもや4つ打ちやダブの間を奔放に行き来しながらヘッドセットマイクで歌ったりしゃべったりあおったりしまくる、というもの。おもしろかった!)を聴きながら、『BIG BEACH FES.』名物、「Red Bull フライトパフォーマンス」(会場上空を飛行機がアクロバット飛行しまくるというものです)を「ひゃー」とか言いながら見ていて、なんかさっきからやたら人にぶつかられるなあと思って周囲を見渡したら「い、いつの間に!」とびっくりするくらいぎっちぎちになってました。人が。で、「そうだ、毎年こうだわ、このフェス」と、思い出しました。
・そんなに人がいたら居心地悪くない? 混んでて苦しくない? 大変じゃない? という話になるけど、大丈夫なのです、このフェスの場合。まず、メインステージの「BIG BEACH STAGE」、そりゃステージ正面のエリアは人ぎっちぎちで前の方では半裸のおねーさんが肩車されて踊り狂う、みたいなことになっているけど、ここの海岸って、ステージに向かって左側の、波打ち際に面したエリアが一段低くなっていて、そこも結構なスペースがある。低くなってるからそこからはステージは見にくいんだけど、DJが主のイベントなんだから、言ってしまえば音さえあればステージなんか見えなくてもいいわけで、そういう判断をしたみなさんは、ゆったりしたスペースで思い思いに踊る、という楽しみ方もできるわけです。ステージ向かって最も左側のエリアが前から後ろまで、通常のフェス会場における「メイン・ステージのすんごい後ろ」に相当するスペースになっている、というか。しかも波打ち際。特に夕暮れから夜にかけて、もう大変に気分がいいエリアでした。
あと、人が多い=トイレが大変、食い物が大変、というのがセオリーだけど、そのへんも大丈夫なのです、このフェス。これに関しては、正直、理由、よくわかりません。トイレも飲食エリアも普通にあるけど、人が多くても平気なようにものすごい数が用意してある、という感じではない。でも、どっちも何度も利用したけど、並んで並んでもう大変、みたいなことは全然ない。トイレなんて一度も並ばなかった。たまたま僕が行った時間がそうだっただけで、混んでいた時間もあったのかもしれませんが。あとでtwitter見たら「トイレが遠い」と書いてる人もいたけど、正直「そうかなあ?」と思いました。とにかく、こういうでかいフェスやイベント、ほかにもいろいろ行ったことがある身として言うと、この規模にしてはとてもストレスが少ないイベントだと思う。客層のせいかな。
・その客層について。ツケマ率、高し。肌露出率、高し。顔の半分くらい隠れるでっかいサングラス率、高し。髪、長くて脱色率、高し。それらほどじゃないけど、タトゥー率もちょっと高し。つまり、ざっくり言うとクラブ人種が中心です。1年目のシーパラダイスの時は、「フジロックも行きます」みたいな風体の人も多かった気がするが、この3年でクラブ方向にどんどん寄っていった、そういう傾向が見てとれます。で、ひゃあひゃあ言いながらみんな踊ったり呑んだりしている、という。で、人種的に、自分がそこに違和感なく混じれるか、というと、決して混じれませんが(ひとりだし、おまけに)、ただ、こういう猥雑な雰囲気、嫌いではありません。ダンス・ミュージックってそういうもんだ、とも言えるし。
・それぞれのステージのタイムテーブル、こんな感じでした。全部で3ステージ。
BIG BEACH STAGE powered by MINI
12:00 - 13:00 (60min) SATOSHI OTSUKI
13:00 - 15:00 (120min) JOHN DIGWEED
15:00 - 17:00 (120min) SVEN VATH
17:00 - 18:00 (60min) BEARDYMAN [LIVE]
18:00 - 20:30 (150min) THE CHEMICAL BROTHERS [DJ SET]
RED BULL STAGE
11:00 - 12:30 (90min) JFB
12:30 - 13:30 (60min) DJ KOYA & DJ 8MAN vs DJ IKU
13:30 - 14:45 (75min) NATHAN DETORIT
14:45 - 16:00 (75min) SHINICHI OSAWA
16:00 - 17:00 (60min) DJ KRUSH & KEIZOmachine! vs DJ MAAR
17:00 - 18:45 (105min) MATTHIAS TANZMANN
18:45 - 20:30 (105min) TIMO MAAS
DISCO BALLOON powered by J germeister
11:00 - 13:00 (120min) ALIFE DJs
13:00 - 16:00 (180min) FERIA DJs
16:00 - 17:00 (60min) MAKE THE GIRL DANCE (from Paris)
17:00 - 18:00 (60min) DJ MARC PANTHER
18:00 - 19:00 (60min) DJ USUS (RIP SLYME)
19:00 - 20:30 (90min) MASANORI MORITA (STUDIO APARTMENT)
「ちょっとだけ」も含めて私が聴いたのは、BIG BEACH STAGE全部、RED BULL STAGEはSHINICHI OSAWAとDJ KRUSH & KEIZOmachine! vs DJ MAARとTIMO MAAS、DISCO BALLOON はDJ USUS (RIP SLYMEのSUさん)、MASANORI MORITA (STUDIO APARTMENT)、というところでしょうか。いずれも楽しかったけど、最後はみっちりケミカルのDJに集中しようという心づもりだったんだけど、そして実際、最高だったんだけど、「考えたらケミカルの裏でTIMO MASSがやってるのってすげえぜいたくだよな、聴かなきゃ」って、思わずそっちに移ったり、そしたらすげえよかったり、で、「そうだこの裏、SUさんなんだ」と様子をうかがいに行ったら、ケミカルの真裏でケミカルの“BLOCK ROCKIN’ BEATS”のリミックス・ヴァージョンをかけていて、お客どーっと集まってアガりまくっていたり……どこにいても、どの時間でも楽しい日でした、とにかく。
THE CHEMICAL BROTHERS最初に書いた、映像でのあいさつで、ノーマン・クック、「来年は行きます、そこで会いましょう」みたいなことを言っていた。本当だな? きいたからな。来年も楽しみにしてます。(兵庫慎司)