昨年10月に『僕らは/気持ち悪りぃ』、12月に『傷名/うるせー』と、メジャーデビューしてから立て続けにシングルをリリースしてきたThe Mirraz。それらを引っ提げて、昨秋から行ってきたツアーを締め括るライヴは、「僕らは気持ち悪りぃ~なんか誤解されそうなタイトルですねツアー2012~追加公演『僕らはうるせー2013』」。曲名を合わせただけ……なのに、こんなにも痛快なムードを醸し出してしまうミイラズ、やはり恐るべし。さらにこの日のゲストは髭! そう、最近では、踊ってばかりの国の佐藤謙介(Dr)が加わり、これまでのツインドラムにパーカッションも織り交ざる7人編成で、セオリーをぶっ壊しながら開放的に進化中の髭ちゃんだ。まずは、佐藤“コテイスイ”康一(Dr)が拡声器を手にステージのセンターでアジテートしてから、“Mr.アメリカ”がスタート。“ロックンロールと五人の囚人”を終えると須藤寿(Vo・G)はギターを置いてオーディエンスの中に突っ込もうとしたり、“黒にそめろ”では、會田“アイゴン”茂一(G)がオーディエンスにギターを触らせたり、とにかく明るくて自由なムードだ。オーディエンスも引っ張られて、ゲストバンドとは思えないくらいの、ホームな盛り上がりに。新曲の“ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク2”にも、須藤が「100万枚(売れることも)夢じゃない!」と言ってしまうくらいの大歓声が起きていた。音楽を鳴らすこと、それを分かち合うことの喜びが炸裂したようなライヴ。最後は“虹”で至福感を満たして、「サンキュー渋谷! そして、僕も大好きな、みんなも大好きな、ミイラーズ!」と須藤が叫び、バトンを繋いだ。
そして、いよいよミイラズの登場。新年らしく“春の海”が流れる中、ステージに現れた4人が鳴らし出したのは“ハッピーアイスクリーム”! 髭からの流れで、今日のライヴのテーマは愛なんじゃないか?と思ってしまったようなオープニングだった。2曲目は一転して激昂の“うるせー”へ。《うるせー》と叫び、拳を突き上げ、前方に押し寄せてくるオーディエンス。鬱屈から解き放つこの曲はこの曲で、物凄く愛いっぱいだと思う。
間髪入れずに“ふぁっきゅー”までアグレッシヴな楽曲を畳み掛けた後、MCで畠山承平(Vo・G)は「髭、サイコーだったな!」と、まず口にした。やはり、彼らの素晴らしいライヴに煽られているところも大きいんだろう。「CD屋でバイトしてた頃に、(髭の)顔のマークを見て、何だこれ?って思って、まさか一緒にライヴできるなんて思わなかった。今日は負けられませんね」――リスペクトしつつ戦闘態勢に入る、これこそミイラズらしい。そして“ハイウェイ☆スター(仮)”、“アナーキーサヴァイヴァー”と続ける。楽曲は激しくも、佇まいはクール。そんな、憎いカッコよさがあるミイラズに対して、オーディエンスも一辺倒ではないノリを見せる。ステージを向いて一心に熱狂を示す人、仲間同士で自由に踊る人、静かに聴き入る人。それでいて、楽曲の合間にはメンバーの名前を呼ぶ声が絶えない。それぞれの愛し方が許されている感じが、居心地いい。
“朝、目が覚めたら”など、穏やかな楽曲でも熱狂は途切れることなく、ライヴは中盤へ。畠山の「来月アルバムが出ます!」という宣言が大歓声に包まれると、そのメジャー1stフルアルバム『選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ』から“スーパーフレア”を披露。メンバー個々のフレーズが際立つ、ライヴ映えするナンバーに、オーディエンスもヴィヴィッドに反応していた。そして、さっそく新たなアンセムと化している感があったのが“傷名”。前述したように、一体感というよりは、自由を感じる彼らのライヴだが、そこには深い共鳴があるのだと、この楽曲が作り出す空間を見ながら思った。畠山が、アルバムが出た後のツアーの告知をしながら「告知が大変なんだよ。何も覚えてないから」とか、髭を見ながら「このまま終わってもいいじゃないかって思った」とか、素直すぎる思いをボロボロ吐露してしまうあたりも、そんなオーディエンスとの関係性ならではだろう。ラストは“ラストナンバー”で《ふざけんなってんだ》、“気持ちわりぃ”で《あー気持ちわりぃ》と誰もが叫び、スカッとしたエンディングを迎えた。
アンコールでは、遂に“僕らは”が登場。ライヴで聴くと、想像以上に「僕らの歌」として染み渡ってきた。そんな余韻残しまくりで、まだ帰れない!と起こるハンドクラップに、彼らはダブルアンコールを敢行! 畠山はステージの端から端まで走って「久々に走ったから、走り方を忘れてた」なんて言いつつ、その勢いで“僕はスーパーマン”を響かせた。音楽の、ライヴの、本来の意味みたいなものを考えさせられたライヴ。やはり、様々な提示をすべく、僕らの場所を作るべく、メジャーシーンに突き進んでいって欲しいバンドだ、ミイラズは。(高橋美穂)
The Mirraz セットリスト
M-1 ハッピーアイスクリーム
M-2 うるせー
M-3 E-miんの歌
M-4 WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!
M-5 ふぁっきゅー
M-6 ハイウェイ☆スター (仮)
M-7 アナーキーサヴァイヴァー
M-8 シスター
M-9 朝、目が覚めたら
M-10 I don't know
M-11 スーパーフレア
M-12 check it out! check it out! check it out! check it out!
M-13 なんだっていい
M-14 傷名
M-15 レディース&ジェントルマン
M-16 CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
M-17 あーあ
M-18 ラストナンバー
M-19 気持ち悪りぃ
enc1 TOP OF THE FUCK'N WORLD
enc2 僕らは
enc3 僕はスーパーマン