BIGMAMA (UKFC on the Road 2013 3日目) @ 新木場STUDIO COAST

BIGMAMA pic by Yuki Kawamoto
3日間に亙って開催されてきたインディーレーベル兼マネジメント事務所=UKプロジェクト主催のライヴイベント「UKFC on the Road 2013」も、いよいよ最終日。前半2日間も熱いステージが繰り広げられてきたが、3日目のこの日は、FRONTIER STAGE に[Champagne]、POLYSICS、THE NOVEMBERS、the telephones、BIGMAMAの5組が、FUTURE STAGEには、うみのて、asobius、KETTLES、静カニ潜ム日々、THE★米騒動の5組が出演。ここでは各アクトの写真と「FRONTIER STAGE」のヘッドライナーを務めたBIGMAMAのレポートをお伝えします。

BIGMAMA(FRONTIER STAGE)
01. 荒狂曲"シンセカイ"
02. #DIV/0!
03. Mr. & Mrs. Balloon
04. 春は風のように
05. alongside
06. かくれんぼ
07. 秘密
08. 君想う、故に我存り
EN1. until the blouse is buttoned up

フルハウスの観衆、大勢のレーベルメイトたちも見守るなか、「いくぞ! UKFC!!」(金井政人/Vo&G)との血気盛んなシャウトから“荒狂曲"シンセカイ"”でステージをスタートさせたBIGMAMAの5人。金井、柿沼(G&Vo)、東出真緒(Violin)がステージ最前線でプレイする攻撃型とも言える陣形でパンキッシュに楽曲を鳴らしてみせれば、オーディエンスも熱烈なモッシュ&クラウドサーフィンで応戦してみせる。続く“#DIV/0!”ではひと際大きな歓声が上がり、この楽曲が持っている、スリリングに展開する物語と共に濃密な熱狂が立ち上がる。とにかくフロアの様子から伝わってくる歓喜が尋常ではなくて、みんなのBIGMAMAへの愛が、そのまま会場の熱気に表れている。

「みなさんの残ってる力、全部ください! 全力で受け止めます。最高の夜にしましょう!」と金井が呼びかけて“Mr. & Mrs. Balloon”、“春は風のように”と、中盤もSTUDIO COAST一丸のシンガロングを巻き起こしながら絶頂へと駆け上がり、またMCでは「リアドがじゃんけんで勝ったからトリなんだよ(笑)。びっくりするくらい居心地がいいです。だってここ、“DISCOの向こう側”だもんね?」(金井)と盛大に笑わせもする。バンドとオーディエンスの間には、これ以上ないくらい親密なヴァイブが生まれている。

ニュー・シングル“alongside”のプレイ前には、「昨日から心に決めてきました……BIGMAMA史上、いちばんのライヴにして帰ります!」と宣言。彼らの王道と言えるブライトな疾走サウンドに<変わらぬまま変われるように いつも君のすぐそばに>と叫ぶ決意表明的ナンバーが、リリース前とは思えないほどの爆発的な熱狂を引き起こし、新たなライヴアンセムの誕生を鮮烈に印象づけた。本編ラストは、アコギを抱えた金井が「また来年、UKFCで会いましょう!」と呼びかけて、“君想う、故に我存り”を万感の想いを込めてプレイ。それまでは五分と五分で拮抗していたバンドとオーディエンスのパワーが、この曲に限っては完全にバンドのそれが数倍上回ってオーディエンスを圧倒。鬼気迫るほどの、そしてどこまでも切実な演奏に心が震えた。

自然発生的に沸き上がる“until the blouse is buttoned up”のシンガロングに応えて、「UKFC on the Road」Tシャツ姿でメンバーが再登場。「この会社に入れて、すごくいい友達がたくさんできました」など、レーベルへの想いを語って奏でられた“until the blouse is buttoned up”では、たくさんのBIGMAMAタオルがフロアに掲げられ、「この3日間でいちばん大きな声が聞きたいな!」との願いに応えてオーディエンス一丸の大合唱。フロアにはいくつものサークルができあがって、そこでみんなが本当に嬉しそうな笑顔で、肩を組んで、踊って、歌っていて、BIGMAMAには申し訳ないけど、ステージそっちのけでフロアの光景に見入ってしまった(でも、これこそがバンドの望んでいたものだったはず)。遂には紙吹雪が華やかに降り注ぎ、the telephonesら仲間たちがステージに駆け出してBIGMAMAを祝福。3日間のフィナーレに相応しいこの上ない多幸感と祝祭感のなか、2013年の「UKFC on the Road」は大団円となった。良質なアーティストを輩出し続けてきたレーベルの良心が結晶化したような、掛け値なしに素晴らしいステージだった。(奥村明裕)

うみのて pic by Yasuhiro Shimoka
[Champagne] pic by Yuki Kawamoto
asobius pic by AZUSA TAKADA
POLYSICS pic by Yasuhiro Shimoka
KETTLES pic by Yuki Kawamoto
THE NOVEMBERS pic by AZUSA TAKADA
静カニ潜ム日々 pic by Yasuhiro Shimoka
the telephones pic by Yuki Kawamoto
THE★米騒動 pic by Yasuhiro Shimoka