LUNA SEA、25年間の想いが結実した歴史的事件「LUNATIC FEST.」初日を振り返る

LUNACY
LUNACY
LUNACY
LUNACY
LUNACY
LUNACY
9mm Parabellum Bullet
the telephones
TOKYO YANKEES
coldrain
LADIES ROOM
SIAM SHADE
Fear, and Loathing in Las Vegas
DIR EN GREY
DEAD END
X JAPAN
X JAPAN
X JAPAN
X JAPAN
LUNA SEA
LUNA SEA

2015年6月27日、28日の2日間にわたって行われたLUNA SEA主催ロックフェス「LUNATIC FEST.」。RO69では、この初日6月27日の模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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LUNA SEAが主催する初めてのロックフェス「LUNATIC FEST.」。バンド結成25周年イヤーを締め括る一大イベントとして、幕張メッセにて2DAYSで開催された。LUNA SEAと縁のあるバンドが世代やジャンルの壁を越えて集結し、長年にわたって堆積してきたロックの地層を見せつけたような2日間。そこから見えてきたのは、単なる祝宴の場ではなく、ひとつのロックの在り方を今の時代に提示する場としてこのフェスを企画したLUNA SEAの使命感、そして、それに全力で応えようとする出演バンドとオーディエンスの結束力だった。以下では初日の模様をレポートする。

巨大な月のバルーンが輝くホール内に「MOON」「FATE」「SHINE」という3つのステージが設けられ、交互にライヴが行われる当フェス。午前11時、総合司会のDJ BOOの開会宣言に続いてFATE STAGEに現れたのは、LUNACY! かつてのバンド名義で、LUNA SEA自らがオープニングアクトを務めるというニクい演出である。長いドレッドヘアーのINORAN(G)をはじめインディー時代を彷彿とさせる風貌の5人に大歓声が沸き起こる中、1曲目の“CHESS”から初期衝動の塊のようなサウンドが爆発。その後も、“MECHANICAL DANCE”“SHADE”とバンド初期の楽曲を畳み掛け、場内の狂騒感を早くも最高潮へと引き上げた。

続くMOON STAGEには、9mm Parabellum Bulletが登場。「切り込み隊長として皆をガツガツ切り刻んでいこうと思うので、月の裏側まで行こうな!」という菅原卓郎(Vo・G)の言葉通り、冒頭から切っ先鋭いサウンドを叩きつけていく。中盤にはJを招いて“Cold Edge”をプレイ! いつも以上に痛烈に響きわたった中村和彦(B)の絶叫が、憧れのロックスターと共演できる喜びを何よりも体現しているように思えた。一方、幕張メッセを巨大なダンスホールに変えてしまったのはFATE STAGEのthe telephones。一見すると当フェスにおいて異色な存在といえる彼らが、狂気の限りを尽くしたダンスロックで満場のハイジャンプを巻き起こしていくさまは、実に感動的だった。「こういうフェスで皆がディスコと叫んでくれるのは、すげぇ意味あると思う」という石毛輝(Vo・G)の誘導による「DISCO!」のコール&レスポンスも華麗に決まった!

LUNA SEAの先輩にあたるTOKYO YANKEESは、3ピースとは思えない激烈なアクトを展開。X JAPANのギタリスト・PATAを交えてメタリックな轟音をブチかまし、後輩への荒っぽい祝福のメッセージとしてみせる。一方coldrainは、LUNA SEAら先輩たちが築き上げてきたロックの歴史を硬質なラウドロックとともに世界に発信していく決意を表明。こうして各バンドがそれぞれの関係性からLUNA SEAへの想いを口にしていく場面も、当フェスのみどころの一つである。その後のLADIES ROOMは、途中からステージに上がったRYUICHIのたっての希望により河島英五の“酒と泪と男と女”を披露! Hyaku(Vo)との色香たっぷりの歌声対決に酔いしれるとともに、四半世紀来の付き合いである彼ら絆の深さを実感できる貴重なシーンだった。

初日の中間地点を折り返し、MOON SRAGEにはSIAM SHADEが登場。LUNA SEAと同じ時代を生き抜き、解散から復活を遂げた彼らだけに、フロアの歓迎ムードもひときわ大きい。中盤には真矢がオンステージし、“1/3の純情な感情”のプレイを促す一幕も。メッセの天井を突き破らんばかりの栄喜(Vo)のヴォーカルとハードエッジな音塊が鳴り響き、時を経ても色褪せることないロックンロールの輝きを解き放ってみせた。FATE STAGEのFear, and Loating in Las Vegasは、目まぐるしく曲調が変化するエレクトリカルなハードコアパンクを堂々開陳。「25年前は俺たち2歳でした。2日間通して最年少のバンドとしてこのフェスを盛り上げます!」というSxun(G)のMCもライヴの狂騒感を駆り立て、熱狂の只中へと突き進んでいった。

映像を駆使したコンセプチュアルなステージでオーディエンスを釘付けにしたのは、MOON STAGEのDIR EN GREY。グロウルとファルセットを巧みに使い分けた京(Vo)の歌声、世の中にはびこる醜悪のすべてを音に変えたようなグルーヴから成るDIR EN GREYの音世界は、聴き手の価値観を反転させてしまうほどの凄みと説得力を持っている。中でもゲストとして登場したSUGIZOのヴァイオリンソロで幕を開けた“空谷の跫音”の深淵たる響きは圧巻だった。そんなDIR EN GREYが築いたディープな世界観を受け継ぐように、SHINE STAGEではDEAD ENDが艶やかで肉感的なアンサンブルを展開。RYUICHIとSUGIZOを交えての“serafine”のエモーショナルな音像に、思わず目頭を熱くさせたオーディエンスも多かったのではないだろうか。

LUNATIC FEST.初日もいよいよ終盤。トリ前としてMOON STAGEに降臨したのは、X JAPAN! 彼らの登場を今や遅しと待ち望んでいたXポーズで埋め尽くされたフロアめがけて、YOSHIKI(Dr・Piano)の爆裂ビートが突き刺さる。1曲目は“JADE”だ。続く“Rusty Nail”ではTOSHI(Vo)の鮮烈なヴォーカルとともに盛大なシンガロングが爆発。この、観る者の心を瞬間沸騰させる歌とサウンドの牽引力と破格のスケールは何なのか。中盤には新曲のコーラスをオーディエンスに歌わせて公開レコーディングをしたり、幕張に集まったバンドとスタッフとオーディエンス全員に感謝して涙ぐむYOSHIKIをSUGIZOが優しく慰めたりと、X JAPANのライヴならではのドラマティックな場面も。3万人のXジャンプで大団円を迎えると、今は亡きメンバー、hideとTAIJIに捧げるメッセージがヴィジョンに映され、場内はエモーショナルな空気に包まれた。

そして。“LOVELESS”の神秘的な旋律とともに幕張メッセに歓喜の渦を巻き起こしたのは、この日のオーガナイザーにしてヘッドライナー、LUNA SEA。“Déjàvu”“Rouge”“TONIGHT”と新旧のキラーチューンを畳み掛け、オーディエンスの心をひとつにしていく。すでにLUNACYや先輩のステージで歌声を響かせてきたRYUICHIの声は嗄れかけ、他のメンバーも度重なるゲスト出演(SUGIZOに至ってはDIR EN GREYから4ステージ連続!)で消耗しているはずだが、渾身の力で放たれるグルーヴには凄まじいエネルギーが宿っているように感じた。後半には、ひとつのシーンを担ってきた仲間とともに今日を迎えられた喜びと、ここに来られなかった仲間への想いを告げたRYUICHIのMCを経て、hideの“ピンクスパイダー”をプレイ! そのまま“STORM”“TIME IS DEAD”“ROSIER”と連打して、絶頂への階段を一足飛びに駆け上がっていった。

アンコールでは、出演バンドを迎えて全員で“PRECIOUS…”をセッション。各バンドのヴォーカルやギタリストたちが1フレーズずつ担当し、喜びを分かち合っていくさまがとても感動的だった。そして大ラスはLUNA SEAの5人のみでの“WISH”――12アクトにわたって鋭利で激しいロックンロールが鳴り響いたLUNATIC FEST.初日は、華やかなクライマックスを迎えた。このまま2日目のレポートに続く!(齋藤美穂)

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※記事初出時、曲名に誤りがありました。訂正してお詫び致します。