19年前にラスヴェガスで銃撃され、その後病院で絶命した90年代ヒップホップを代表するMCの一人、トゥパックをケンドリック・ラマーが偲んでいる。
トゥパックはビギー・スモールズことノトーリアスB.I.G.らとともに90年代ヒップホップを牽引するラッパーとして活躍したが、1996年9月7日にラスヴェガスでボクシング観戦の後、車で移動中に別の車から銃撃され、その後、病院で13日に他界した。
これまでケンドリックはトゥパックからの影響の大きさをさまざまな形で表明し、最新作『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』の最終曲"モータル・マン"では生前のトゥパックのインタヴュー音源を再構成して使っているが、トゥパックのオフィシャル・サイトでは9月13日付で新しく寄稿されたケンドリックの追悼文を掲載している。ケンドリックは次のようにトゥパックを振り返っている。
「あなたのことを初めて観た時ぼくは8歳でした。あの時、自分がなにを感じていたのかぼくにはなかなか説明できませんでした。あまりにもいろんな感情が混じり合っていたからです。興奮に溢れていました。喜びや熱望にも溢れていました。あれから20年経ってぼくには今あれがどういう気持ちだったのかしっかりわかります。
ぼくは触発されていたのです。
あのほんの一瞬の交錯であなたに触れた人たちはその後の人生をすっかり変えていくことになりました。ぼくはいつか人間を代弁する声になりたいと自分に言い聞かせました。誰も知らないことだったでしょうが、ぼくはあなたに聴いてもらいたくてずっと声を上げてきたのです。
ありがとう。
KL
2015年9月13日」