宇宙まお、初のワンマンツアー大成功!圧巻のポップ&笑顔が弾けるファイナル公演レポ

all pics by 畑聡

2016年2月24日、宇宙まおによる初の東名阪ワンマンツアー「会いにゆく」の最終公演が、TSUTAYA O-WESTにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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この2月に繰り広げられてきた宇宙まお初のワンマンツアーは、2/20(土)名古屋ハートランド、2/21(日)心斎橋ライブハウスパンゲアを経て、今回レポートするファイナルの舞台=東京・TSUTAYA O-WESTへと辿り着いた。開演時間を迎えると、時報の音に続いて『スター・ウォーズ』のテーマが鳴り響き、スクリーンにはラジオ収録風景(宇宙まおは毎週水曜深夜、ZIP-FMのプログラム「UCHU TOURS」をナビゲートしている)の映像が映し出される。リスナーからのメッセージを読み上げながら曲紹介を行い、バンドメンバーが待ち構えるステージ上に真紅の衣装を纏った宇宙まおが登場すると、デビュー作『風とどこかへ』の1曲目に収められた“バイバイ”が歌い出されるのだった。

元気よく挨拶を投げかけて、頭上でクラップを誘いながら、“ロックの神様”に“つま先”といった名曲群が畳み掛けられる序盤。バンドメンバーは、バンマス沼能友樹(G)、前田逸平(B)、SUNNY(Key)、そして比田井修(Dr)という顔ぶれだ。小気味良いフックをがっちりとしたロックサウンドの推進力で支えてゆく。「みんな、来てくれてありがとう! みんなに会いに来たよ! 今年、宇宙まおはデビュー4周年を迎えるんですけど、その宇宙まお第1章の集大成となるような、そして2016年の今から未来に向かっていくようなライヴにしたいと思います!」と意気込みを伝える。

自らアコギを抱え、勢いよく冒険に飛び出すようなメロディを放つ“誰も知らない国へ”の後には、ユーモラスな振り付けをレクチャーして“1234”でオーディエンスを巻き込み、マラカスを振りかざしながらの“素直に生きたい”ではフロアの真ん中まで突入してしまう。《君と話がしたいな》の歌詞どおり、オーディエンスにマラカスを預けて至近距離のコミュニケーションを生み出していた。

ここでバンドメンバーが一旦ステージから去り、宇宙まおは大学生時代に活動していたバンド、The宇宙人sのことを振り返る(The宇宙人sは、アマチュアアーティストコンテストRO69JACK 10/11入賞アーティスト)。大学卒業を迎え、メンバーがそれぞれの道に進みバンドは解散したが、宇宙まおはひとりソロアーティストとしての活動に踏み出した。その決意を込めた楽曲として、“満月の夜”が披露される。ソロ弾き語りへと移行するステージが、極めてドラマティックに目に映る一幕だ。そして、人との出会いがなければありえなかった4年間であったことを告げ、今度は一転、「みなさんに聴いてもらうために作った曲です」と、ツアータイトルを冠した最新曲(ほんの数日前に完成したらしい)“会いにゆく”が届けられる。広がりのあるコードワークで、ひとりひとりに語りかけるような、練り上げられたスタンダード感を受け止めさせる一曲であった。

フードフェス「まんパク」で、1日3回×19日間というステージをこなした経験と共に披露されるのは“おいしいごはん”。「期間中に、全店舗を食べ尽くすってことにも挑戦して。うらやましいでしょ。ある意味、ライヴよりも大変だったんですけど(笑)」「出店者の方が戦友のように思えたというか。少しだけ、強くタフになれたと思っています」と語られる。ここでバンドが再び演奏に加わり、アウトロの中で「まんパク」出演時の人々の楽しそうな表情のスライドショーが流れ余韻を残すと、その間に宇宙まおはモノトーンの衣装に早着替えを済ませる。そしてハンドマイクで切々と歌い上げる“そばにいるよ”や、ブックエース主催「小学生読書マラソン」のテーマ曲として書き下ろされた“つよくなる”といった楽曲群。最新ミニアルバム『7つのうた、あなたの虹になれ』に込められた、「人々のために生み出された歌」のしなやかさを見せつける時間帯だ。ディスコグルーヴに乗せたVサインの振り付けが広がる“CONTRAST!”や、キラキラとしたギターに彩られる“ハロー、グッドミュージック”も勢いに満ち溢れていて素晴らしい。

“夢みる二人”の恒例コール&レスポンスでは、ブッキング担当氏おすすめというO-WEST近くのつけ麺屋さんの店名にあやかって「マンモス!マンモス!」の声が楽しげに上がり、美しいピアノのイントロに導かれた“無限の力”はフロアの力強いチャントに後押しされる。大きなブルー地の「UCHU MAO」フラッグを振り回してこの曲をフィニッシュすると、彼女は「今日のステージが終わると、宇宙まおはまた、次の夢のステージに向けて曲を書いていきます!」と宣言する。そして本編は、ストリングス風シンセもなびく壮大な“哀しみの帆”で締め括られた。まさに、宇宙まおというソロアーティストの旅路を振り返るようなステージであった。

アンコールの催促に応じてTシャツ姿で飛び出してくると、ファンキーなサウンドにハンドウェーヴが揺れる“かわいい人”や、可愛らしい歌詞アニメ映像付きの“あの子が好き”と楽曲を披露。「明日からの皆さんの毎日が、宇宙まおのBGMで進んでいくことを祈っております! 言えた(笑)」と満面の笑みを覗かせて“声”を歌いあげる。さらには、ダブルアンコールも敢行して「また絶対にライヴハウスで会いましょう!」と約束する“君が死ぬまで終わらない物語”の弾き語りへ。全20曲、ひとりひとりのリスナーと真摯に向き合い、人々の生活に音楽を寄り添わせるためのステージを駆け抜けるのだった。(小池宏和)

●セットリスト

01. バイバイ
02. ロックの神様
03. つま先
04. 誰も知らない国へ
05. 1234
06. 素直に生きたい
07. 満月の夜 (弾き語り)
08. 会いにゆく (弾き語り)
09. おいしいごはん
10. そばにいるよ
11. つよくなる
12. CONTRAST!
13. ハロー、グッドミュージック
14. 夢みる二人
15. 無限の力
16. 哀しみの帆
(encore)
17. かわいい人
18. あの子が好き
19. 声
(encore 2)
20. 君が死ぬまで終わらない物語

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