Cocco、「ただ歌えばいいんだね」涙ながらに感謝を語った20周年武道館2Days閉幕

All photo by 西槇太一
Coccoの「20周年Special Live at日本武道館2Days」の2日目、「二の巻」が、昨日開催された。

「二の巻」は、現在のCoccoをサポートしているバンドメンバー、椎野恭一(Dr)、鹿島達也(B)、藤田顕(G)、粂絢哉(G)、渡辺シュンスケ(Key)で編成された。

2001年に活動休止に入る前、最後にリリースされたシングル曲“焼け野が原”をオープニング曲に、続く“ドロリーナ・ジルゼ”では、鮮やかなブルーの衣装をたなびかせた。

MCをはさまぬまま、続けざまに9曲を歌い切る。「一の巻」でも披露された“強く儚い者たち”、“Raining”、“樹海の糸”なども序盤で披露された。

10代、20代の頃を振り返り、自身が一度、沖縄に帰って活動休止をしたことにも触れ、「まわりの大人が逃げるなって言っても、コウは逃げてもいいと思う。大事なのは生きることだから。逃亡して生きてたら、またこうして会えるし、自分も逃げていいんだよって言える大人になったことが嬉しい」と語りかけた。

“カウントダウン”(デビュー曲)、“絹ずれ~島言葉~”へと続き、終盤、優美な白のドレスに着替えたCoccoが、“Never ending journey”を披露する前に、MCで、実はこの曲がリハーサルの時から思うように歌えていないと語り出し、「考えがまとまらない時って、(思いを)口にしたらわかってくること、あるでしょ?」と、この歌がうまく歌えない理由を、その場で考え始める。曲ができた当時の思い出を振り返るうちに、「その頃の自分は、みんながCoccoの歌で救われたとか元気になったって言ってくれるから、自分の歌に力があるって思っちゃってた」と語り、「でも、歌に救われたって思ってくれるのは、それを拾い上げる人の力があったからなんだと思う」と、涙を流しながら語り続ける。そして、「何かのためだとか、誰かのためだとか、恩着せがましいことじゃない、ただ歌えばいいんだね」と結び、「立ち会ってくれてありがとう」と何度も何度も感謝の気持ちを言葉にした。

ラストの“有終の美”では、ハート形の大きな紙吹雪が会場中に降り、エンディングへ。名残惜しそうに、会場中の一人ひとりに手を振るようにして、Coccoはステージを去り、幕を閉じた。

なお、このライブの模様は9月10日(日)にWOWOWにて放送される。