ショーン・メンデスが新作でヒップホップやR&Bの要素を取り入れた理由とは?「隠れた自分の側面を一気に開放したかった」

『rockin'on』2018年7月号より

5月にニュー・アルバム『ショーン・メンデス』をリリースし、8月には「SUMMER SONIC 2018」に出演することも決定しているショーン・メンデス

『ロッキング・オン』7月号では、19歳ながら着実にキャリアを築くショーン・メンデスに同アルバムについて訊いたインタビュー記事を掲載している。

2016年の『イルミネイト』以来となる新作ではヒップホップやR&Bの要素が大胆に取り入れられているが、そんな前作からの変化や新作の位置づけなどについて、ショーンは以下のように語っている。

(中略)実は僕としても今回はまさにサウンド面のそういう点で新しい感覚を出すことに一番気を使ったんだよね。

これまでの僕はロックから受けた影響の濃い歌を書くシンガー・ソングライターというイメージだったわけだけど、今後の自分のためにも音楽スケープを広げておきたいなら、3枚目である今作が方向転換の絶好のチャンスかな?と思ったんだ。もちろんロックは今も好きだけどね。同時に僕はR&Bやヒップホップも昔からよく聴いてたし好きだったわけで。今回はそういう隠れた自分の側面を一気に開放したかったというか、この辺で自分のそういう面を出して世間が受け入れてくれるかどうか、反応を見てみたかったんだ。

結果的にそういう僕の新しい側面を世間が受け入れてくれるならもちろんすごく嬉しいし、もし受け入れてくれなかったとしても、それはそれでまぁいいかな、と。今回のアルバムについてはそんな風に位置づけることにしてるんだ。


また、日本を舞台にした新作からのリード・シングル“ロスト・イン・ジャパン”について、同楽曲が生まれた経緯を以下のように答えている。

これは以前、僕が見た夢からインスピレーションが浮んできたんだよ。日本のどこかのホテルでこの曲で歌っているようなシチュエーションに自分がいる夢を見て、翌朝起きた瞬間その夢のイメージがだんだん広がっていって一つのストーリーテリングな曲に発展していったケースだったというか。だからこれは僕の実体験をベースにした曲じゃないんだ。

来日体験といえば、日本はこれまで3回訪れたことがあるけど、僕にとってはカルチャー的に世界で最も刺激的で興味深い場所なんだよね。日本文化って欧米文化の中で育ってきた僕みたいな人間にとっては他のどんな国のそれとも大きく違うし、実際これまでのどの滞在も毎回新しい発見があってクールな体験ばかりだった。

今年のサマーソニックで再来日することになってるんだけど、今から楽しみでしかたがないんだよ。だから多分ああいう夢(“ロスト・イン・ジャパン”の歌詞のイメージ)を見たのかもね(笑)。


ギターでひとり曲と向き合う出発点から、今現在を反映する新作までかなり距離を感じるのではないか? という質問に対し、ショーンはデビューから変わらぬ音楽観に基づいて以下のように答えた。

日常レベルで生きている自分としては、特に自分の音楽観が変わったという意識をいだくことはあんまりない。これまでも、それぞれの時期の自分の本能に導かれるままここまで来たようなものだしね。

もし明日ギター弾き語りスタイルの曲作りにむちゃくちゃインスパイアされることがあったら、また初期みたいなギター主体の曲作りに戻る可能性だってあると思うよ。僕にとっての音楽ってのは、それぞれの時期の自分が生きていた瞬間を刻んでいく時間軸みたいなものだと思ってるから。

最初から世界を征服するためのマスター・プランを練って、そのプランのもとにキャリアを築いてきたっていうようなものじゃないんだよね。


インタビューではほかにも、新作に収録されたカリードとのコラボ曲についてや、そのコラボ曲に影響を与えた昨年のマンチェスターの爆破テロ事件に関してショーンが抱いた思いなども語られている。

サマソニでの来日を楽しみにしているというショーン・メンデスが、来日前のタイミングでリリースしたセルフ・タイトルの新作にて一体どのような変化を遂げたのか。『ロッキング・オン』7月号のインタビューではそのすべてが明かされている。



ショーン・メンデスの最新インタビューは現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。
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『rockin'on』2018年7月号