今月上旬に行われていた「ツタロックDIG」というライブイベントで観た、ミーマイナーというバンドが今も強く記憶に残っている。
バンド結成からわずか2ヶ月でオーディションを勝ち抜き、オープニングアクトとしてその日登場したのだが、正直なところ他のバンドを観に来ていたのでまったくの初見で、事前に情報を調べることもしていなかった。にもかかわらず、たった15分程度の持ち時間の中で、自分が何者であるのかを全部曝け出して、抱えている想いをすべて一撃でフロアにぶつけるんだという、覚悟を決めたライブパフォーマンスに目が釘付けになった。
ボーカルギターの美咲はアイドルとしても活動しているのだが、その当時「音楽キャラ」のメンバーが既にグループ内にいたため、自分はそれをアピールすることが許されず、音大に行くのも諦めてひとりで隠れてオリジナル曲を作り続けていたのだと、ありのままの言葉で音楽にかける情熱を語っていた。
堂々とした歌声やMCには、アイドル活動で場数を踏んできたアドバンテージもあるのだろうけど、喉から手が出るほど、この音楽が、バンドがやりたかったんだという想いが伝わってきて、数分前まで知らなかったバンドなのに何故だか少し泣きそうになった。
まだフルコーラスの配信はされていないが、疾走感の中に切なさを感じる“オンリーロンリータウン”が王道のポップロックでとても好きだった。またライブで聴きたい。(有本早季)
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たった15分間ですべてを曝け出した、結成わずか2ヶ月のポップロックバンド・ミーマイナーのライブが衝撃だった
1時間前