現代のUSインディロックシーンを代表するビッグ・シーフが通算6枚目となる『ダブル・インフィニティ』をリリースする。これは大きくふたつの意味でバンドにとって新しいフェーズを象徴する一枚だ。
ひとつは、ダブルアルバムとなった前作『ドラゴン・ニュー・ウォーム・マウンテン・アイ・ビリーヴ・イン・ユー』がひとつの到達点であったため、その「ネクスト」を提示するものではならなかったこと。もうひとつは、初期からメンバーだったマックス・オレアルチック(B)が離脱してはじめての作品になるため、制作方法を刷新しなければならなかったことだ。
実際、『ダブル・インフィニティ』は多くのゲストミュージシャンを迎えることで、新しいサウンドとフィーリングを携えた一枚となった。とくにニューエイジの大御所ララージの活躍により、サイケデリックな感覚がビッグ・シーフのモダンアメリカーナに新味をもたらしている。
ロッキング・オン10月号では、そんな新作についてじっくり聞いたインタビューを掲載する。今回、答えてくれたのは先鋭的なエレクトロニックミュージシャンでもあるジェームズ・クリヴチェニア(Dr)だ。「ダブル・インフィニティ」=「永遠の絆」という名の温かいアルバムがどのように誕生したか、ぜひ確かめてほしい。(木津毅)
ビッグ・シーフの記事が掲載されるロッキング・オン10月号