ついに再臨ーーレディオヘッド、UK&欧州ツアー発表。7年ぶりにカムバックする彼らの到達点に注目

ついに再臨ーーレディオヘッド、UK&欧州ツアー発表。7年ぶりにカムバックする彼らの到達点に注目

レディオヘッドが動き出した。

11月初旬から12月半ばにかけて欧州5都市で計20公演(=キャパ1万5000〜2万のアリーナ会場×4晩ずつのレジデンシー)を開催することが9月3日に告知され、9日後に発売されたチケットはたちまち完売。熱く厚いアクティブなファン層を世界中に抱えるバンドだけに、さすがにその動きはスピーディで反応も俊敏だ。

センターステージ形式というのも話題のこのツアー、リアクションのすさまじさは7年ぶりに5人が一堂に会するカムバックでもあるからだ。2018年以降バンド休耕期に入った彼らは、各人存分に翼を広げた。サントラ、ソロ作、再発やビジュアル回顧といった各種アーカイブ作業(今月末にはライブ盤『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ/ライヴ・レコーディングス2003-2009』もリリースされる)とその動きは多岐にわたり、ロックダウン期にトムとジョニーが立ち上げた遊撃隊=ザ・スマイルに至ってはアルバムを3枚リリース。今夏にトムはマーク・プリチャードとのコラボ『トール・テールズ』を発表し、ジョニーはポール・トーマス・アンダーソン監督新作映画の音楽を担当。「レディオヘッドの未来は……?」とやきもきしていたファンは多かっただろう。

しかし昨年末にコリンは米メディアに「この夏に再会しリハをやった」と漏らし、義兄弟たちとの音楽的な絆を再確認したこととライブをやる意向を表明。先ごろ公開された英人気ポッドキャスト(収録そのものは今年4月)では演奏する候補を70曲程度にまで絞り、ライブにはバスキング(=路上パフォーマンス)のノリでアプローチするだろうとも語っている。

昔からのファンは愛する曲の数々と再会できそうだし、彼らを生で観る機会のなかった世代——単純に考えても7年は、10歳だった子供が自由にコンサートに行ける年齢に達するだけのギャップだ——は震撼することだろう。レディオヘッドはよくライブで新曲を試運転することでも知られるし、この短期欧州ツアーから10作目の布石が打たれる可能性は高い。

来年以降、北南米そして(日本を含む)アジア〜オセアニア圏までこのツアーが足を延ばすことを祈りつつ、まずは「再臨」の瞬間を待ちたいと思う。(坂本麻里子)



レディオヘッドの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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