2023年10月、結成メンバーであるマイク・ポートノイが電撃復帰。それから約2年半の時を経た2026年2月末〜3月頭にかけて、クラシックラインナップでのドリーム・シアターが遂に戻ってくる。バンドとしての来日ツアーは2023年4月末〜5月頭以来で、現編成では実に16年ぶり(前回は、マイク・ポートノイの脱退作『ブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニングズ』ツアーの最終公演となったSUMMER SONIC 2010)。前任者マイク・マンジーニのドラムスも素晴らしかったが、技術と華を兼ね備えたマイク・ポートノイのプレイはロック的な勢いや外連味の面でこのバンドに不可欠なものだった。そういう魅力はライブでいっそう映えるわけで、再び生で体験できるのが本当にありがたい。しかも今回は40周年を祝うアニバーサリーツアーで、本稿執筆時点でのセットリストも大変充実している。来年2月末〜3月頭の日本公演が同じ内容になるかはわからないが、楽しみにしていていいだろう。
40周年記念ツアーということでぜひ注目してほしいのが、来日公演の特設サイトにも掲載されているビジュアルだ。ドリーム・シアターがこれまで発表してきたアルバムのアートワークを網羅する(マイク・ポートノイ在籍期の作品をメインに据えつつマイク・マンジーニ在籍期も押さえている)一枚絵は、バンドの歴史を俯瞰し新たな視点で掘り下げる姿勢をよく表している。
実際、マイク・ポートノイ復帰作となった最新作『パラソムニア』も、代表曲「メトロポリス」シリーズを強く意識しつつ未踏の境地を切り拓くものだった。新譜の曲と並べられる過去曲が何になるか、それらがどういったニュアンスで演奏されるかといったことへの興味も尽きない。新旧いずれのファンにも強くアピールするツアーになるだろう。
ドリーム・シアターの音楽性は、ブラック・ミディやザ・スマイルのようなオルタナ寄りのバンドにも、カマシ・ワシントンのような現代ジャズにも通ずる部分が多い。メタルは得意でないという人も感銘を受ける部分も多いはず。この機会にぜひ体験してみてほしい。(和田信一郎)
ドリーム・シアターの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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