5/28 @池袋 harevutai
「さまざまな形のLOVEをお届けしたいんですが、僕たちはその前から、さんざんLOVEを伝えてきました。今日はより真剣に、マジメに伝えたいと思います」。菅原達也(Vo・G)がそう語っていたように、最新ミニアルバム『LOVE』のフェーズとは、音楽性を進化させため組の最新モードでありながら、同時にめ組の表現の根幹に迫るモードでもあった。約2年半ぶりのライブツアーとして繰り広げられた「ME-GUMI LIVE TOUR 2022 -LOVE-」。大阪、名古屋を経て辿り着いたファイナル公演は、東京・池袋harevutaiである。
ステージ背景は全面がLEDスクリーン。そこにめ組の可愛らしい最新バンドロゴが浮かび上がり、オープニングSEとオーディエンスの手拍子が賑々しく折り重なる中、富山京樹(G)、外山宰(Dr)、寺澤俊哉(B)、久佐賀麗(Key)、そして菅原が一人ずつ姿を見せて“あの恋をなぞれば”からパフォーマンスが始まる。歌い出しからビシッとピッチを制御し美しいファルセットも使いこなす菅原の歌、過不足なくバランスの整えられたバンドサウンド、加えて、手書き文字の歌詞がスクリーンに映し出され、め組の優れた詩情と歌心を余すところなく伝えるライブである。
“余所見”では富山と寺澤が向き合って楽しそうにお辞儀を交わし、ここぞとばかりにピアノやギターのソロが連なる。歓声や合唱の自粛が求められるライブ環境であっても、メンバー間の対話もオーディエンスとの対話も充実していることが皮膚感覚として分かる。久佐賀はバンド加入後初のツアーで緊張しながらもファンと目が合う喜びを語り、寺澤は“愛し、愛され”のMVをメンバーと一緒に観たときに一人号泣してしまったというエピソードを告白。故郷・宮崎からご両親も会場に駆けつけた外山は宮崎弁丸出しのMCを披露しつつ、「ワクワクしようぜーっっ!!」と久佐賀の十八番を奪う決め台詞を投げかけた。
菅原がウクレレを奏でて歌う“切ない”は、滑らかに溶け合うミクスチャー感覚が見事な、ライブ披露が楽しみだった新作曲だ。ガツンとロックなアタック感とは一見ミスマッチな、花びら舞う川沿いの桜並木の美しい映像を用いた“わたくしごと”も、情緒表現の奥行きが素晴らしい。拗らせた孤独とともに踊る“Bad Night Dancer”→久佐賀がハンドマイクで躍り出る“あたしのジゴワット”→《ちゅるりらら》の合言葉の代わりに5連泊のクラップがフロアに弾ける“悪魔の証明”という本編後半のキラーチューン連打は、厄介な感情や思考も纏めてポップに鳴らしてしまうめ組のキャリアそのものだ。
●セットリスト
01. あの恋をなぞれば
02. マイ・パルプフィクション
03. 春風5センチメンタル
04. 故愛
05. REC
06. 余所見
07. お化けだぞっておどかして
08. 切ない
09. ぼくらの匙加減
10. ござる
11. わたくしごと
12. Bad Night Dancer
13. あたしのジゴワット
14. 悪魔の証明
15. 愛し、愛され
(アンコール)
01. Amenity
02. 500マイルメートル
03. YOLO
●リリース情報
ミニアルバム『LOVE』
発売中
・収録曲
01. あの恋をなぞれば
02. 愛し、愛され
03. Bad Night Dancer
04. REC
05. わたくしごと
06. 切ない
07. YOLO(2022 ver.)