ブラーのデイヴ、キャメロン保守党党首はにわかスミス・ファンと指摘


ブラーのドラマーで、5月のイギリス総選挙で労働党の候補として出馬するデイヴ・ロウントゥリーは、野党保守党のデヴィッド・キャメロン党首が公言している「スミス好き」について疑問を投げかけた。

デイヴはイギリス議会の下院総選挙でロンドン=ウェストミンスター区の労働党候補として出馬する。そんなデイヴはキャメロン保守党党首が08年にスミス・ファンの聖地のひとつ、マンチェスターのサルフォード・ラッズ・クラブの前でわざわざ写真を撮らせたことは動機が不純だと指摘している。

「あれじゃただのスミスかぶれの観光客だよね」とデイヴはガーディアン紙に語っている。「たとえば、本当のスミス・ファンっていうのは、ある種の着こなしがあるんだよね。髪の毛のスタイルもそうだし、Tシャツの好みにしても独特なものがあるんだよ。いずれにしても、スミスのファンだったら絶対にしないこと、それがサルフォード・ラッズ・クラブの前で写真を撮るようなことなんだよ」。ちなみにサルフォード・ラッズ・クラブとは、スミスの傑作『ザ・クイーン・イズ・デッド』の内ジャケットに使われたスミスのあまりにも有名な写真撮影に使われた建物のことだ。参考までに→(http://www.soundonsound.com/sos/jan05/images/classic2smiths.l.jpg

その一方、デイヴは労働党のトニー・ブレア前首相についても、いわゆるブリットポップ期にとったさまざまなバンドとの接し方がよくなかったと指摘した。

「トニー・ブレアがあれだけたくさんのバンドを首相官邸に呼んだことで腹立たしかったのは、結局、もう数世代も前の首相がやってきたミュージシャンとの接し方とまったくなにも変わらなかったことなんだよ。当時、メディアが吹聴していたクール・ブリタニアなんてものはぼくたちにはなんにも関係なかったわけだし。そもそもブリタニア(イギリス)がクールだなんて、誰も言っちゃいないし」

「だから、ハロルド・ウィルソン(元首相)がビートルズを官邸に呼びつけた時と同じなんだよね。そういう場ではどういうことが起きるのかというと、政治家は決して『わたしたちにどんなことをしてもらいたいと思いますか?』などということは訊かないんだよ。そういう時に政治家が口にするのは『わたくしどもはこういうことをやるつもりですので、是非支持のほどをお願いします』っていうことだけなんだ。で、さも同意して当たり前のようにそう言われて、喜ぶやつなんてそうそういないんだよね」

議席獲得は「ほとんどまずないだろう」としているデイヴだが、選挙活動やキャンペーンは楽しんでいて、もっぱら草の根レベルでの選挙運動を続けている。「デイヴは政治的キャリアのためにバンドをやめた模様とか書かれたりするけど、そもそも政治的キャリアなんてぼくにはないし」とデイヴは説明した。「ぼくはただの活動家なんだよ。1軒1軒家を回って、なにか解決してほしいことがあるかどうか聞いて回ってるんだ」。

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