イギリスの新聞紙『メール・オン・サンデー』が、プリンスのニュー・アルバムを付録にするとして、物議をかもしている。
7月2日付のmailonsunday.co.ukによれば、7月15日発売の『メール・オン・サンデー』紙には、プリンスのニュー・アルバム『プラネット・アース〜地球の神秘〜』全10曲がまるまる収録されたCDがついてくるという。この前代未聞の試みに、英音楽業界が騒然となっている。
『プラネット・アース〜地球の神秘〜』は、イギリスでは7月24日(日本は7月25日)に発売される。『メール・オン・サンデー』紙はいわゆるゴシップ紙で、今までにもピーター・ガブリエル、デュラン・デュラン、UB40、マイク・オールドフィールドなどのCDを付録にした実績があるが、それらに収録されたのは既発表曲。6月30日付のnews.bbc.co.ukによれば、『メール・オン・サンデー』紙の代表取締役ステファン・マイロンが6月27日(現地時間)ロイター通信に、「新聞各社がDVDやCDで販促のため付録をつけることは、慣例的に業界で幅広く行われている」とし、先のピータ・ガブリエル、デュラン・デュランらを例として挙げたのち「前例のないことをやっているが、我々はこれまでCDやDVDを付録としてきた。今回のことは新しい基準を設けているにすぎない」とコメント。また「新聞を音楽関連の小売業者を廃業させるために発行しているわけではない」とつけ加えた。
HMVの最高経営責任者であるサイモン・フォックスは、未発売アルバムを正式な発売前に付録にしてしまう、というこの試みを「全くばかげている」とロイター通信の記者にコメント。
英国のエンターテイメント系の小売業者協会である<The Entertainment Retailers Association>の会長、ポール・クワークはこの決定を「信じがたい」とし、「これは、プリンスのこれまでのアーティスト・キャリアをサポートしてきたすべてのレコード販売店に対する侮辱だ」とロイター通信に語っている。
「プリンスのニュー・アルバムを付録に」、英新聞紙の試みに賛否両論
2007.07.03 22:26