トム・モレロ、ブルース・スプリングスティーンのバンドに参加しての試練について語る


レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロは現在ブルース・スプリングスティーンのギタリストとしてバンドに参加していることを「光栄だ」と語っている。

トムは現在ブルースのバンド、Eストリート・バンドのギターのスティーヴ・ヴァン・ザントが自身の主演するドラマ・シリーズ『リリハンマー』の撮影に入っているため、その代役として現在ブルースのオーストラリア・ツアーに同行している。ただ、4時間に及ぶこともあるブルースのライヴがひとつの試練となっていることもトムは『ローリング・ストーン』誌に明かしている。

「今度のツアーのために3か月くらいかけて50曲憶えて、それでも毎晩サウンド・チェックの90分くらい前にブルースからメールが来て、一度もやったことのない曲が7、8曲くらい挙げられてあったりするんだ。おまけにライヴの間に話題にさえ出ていなかった曲をいきなりやるとか言い出すんだけど、それがぼくも一度も聴いたことのなかった曲だったりするんだよ!」

「バンドの演奏は毎晩まるで違うんだよ。だから、繰り返しじゃなくて、刷新されてるんだよね。うまくいった日はそんな実感があるんだよ。毎晩、コンマ数秒くらいかけて心の準備をしなきゃいけない曲とかが、6曲から8曲くらいはあるかな。でも、楽しいよ。このバンドのライヴはそういうもんなんだってわかったから、ぼくも『とことんやろうぜ!』って開き直ってるけど。でも、断っておきたいんだけど、だからといってブルースにさらなる難問を要求しているわけじゃないからね。むしろ"涙のサンダー・ロード"もぜひやらせてもらいたいよ。だけど、ほんとに楽しいチャレンジになってるんだ」

しかし、このバンドの共演という機会についてトムは全面的にその恩恵についての感謝を表明している。

「ほんとにすごい経験だよ。ぼくの一番好きなバンドのひとつで、世界最強のライヴ・バンドのひとつとステージを分かち合うことになって、光栄に思ってるんだ。ぼくもブルース・スプリングスティーンのライヴにはたくさん足を運んできたけど、たとえば4回連続で観るとか、そういうことはやったことないわけだからね。しかも、どのライヴもただライヴとして違っているっていうだけじゃないんだよ。経験としてまるで違うんだよね」

なお、ノルウェーとアメリカの合作テレビ・ドラマの『リリハンマー』はニューヨークのギャングの若頭がノルウェーのリレハンメルで第2の人生を歩み出すという内容のドラマで、ノルウェーでは国民の20パーセントが観たという大ヒット作になっている。スティーヴはこの主役を演じているが、4月29日にノルウェーのオスロで行われるブルースのヨーロッパ―・ツアーの初日からバンドに復帰する予定だ。また、ブルースはカサビアンとともにハード・ロック・コーリング・フェスティヴァルへのヘッドライナー出演も予定している。

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