ブラック・サバスのトニー・アイオミ、癌が判明したためにビル・ウォードを待っていられなかったと語る

ブラック・サバス『13』6月12日発売

6月12日(水)に新作『13』をリリースするブラック・サバスのトニー・アイオミは、再結成が発表された後、進めていたオリジナル・メンバーのビル・ウォードとの交渉について自身が癌にかかっているのが判明した時点で打ち切ったと『ギター・ワールド』誌に語っている。

一昨年に再結成が発表された時にはトニーのほか、オジー・オズボーン、ギーザー・バトラー、そしてビルのオリジナル・ラインナップ全員で行う予定だったが、その後契約条件面が折り合わず、ビルだけ離脱したと発表されていた。しかし、ここにきてトニーは自身が癌を発症したため、その時点で交渉を打ち切ったと次のように明らかにしている。

「リンパ腺癌と聞かされた時には『そう来たか、俺もやられたな』って思ったよ。ビルについては長い間待ったし、なんとか片を付けたかったんだけどね。でも、最終的に、特に癌だとわかってからは、『もうだめだ、早く動かなきゃ、俺も来年には死んでるかもしれないんだから!』って思ったんだよ。それでビルにはメールしたんだ。『ビル、もう待てないよ。俺たちはもう始めることにしたから』ってね。それで終わったんだよ」

また、トニーは専門医の診断を受けろと勧めたのもオジーだったと明かしていて、その結果、治療に間に合ううちに癌を発見することができたという。オジーはトニーについて次のようにコメントしている。
「兵士のように勇敢で、どんどん前進して善処に当たったよね。誰よりもまだリフをどんどん生み出してもいたしさ。だから、俺たちもみんなでトニーを支えたんだけど、『大丈夫? 大丈夫?』っていうノリじゃなかったんだぜ」

また、ギーザーも次のようにトニーの病状の影響について説明している。
「俺たちみんないつか死ぬわけで、永遠にこうしていられるわけじゃないんだってことをあらためて思い知らされたね。トニーと俺は(ブラック・サバスでオジーの後任を務めたヴォーカルの)ロニー・ジェイムス・ディオとヘヴン・アンド・ヘル・ツアーをやったし、その半年後にロニーは癌で亡くなったんだよね。だから、癌にかかったと知って、明らかにそのことをトニーも思い出したと思うよ。それでトニーがやれるうちに、どんなリスクを負っても今度の作品を仕上げようってことになったわけだよ。でも、病気はトニーの演奏にまるで影響しなかったし、むしろ演奏に没頭してたから癌のことも忘れられていたんじゃないのかな。それが闘病には一番いいことだと思うんだけど」

なお、今後バンドは6月25日から北アメリカ・ツアーに乗り出し、その後ヨーロッパ・ツアーを控えている。

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