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しっずかーなライヴだった。でも、最高に美しいライヴだった。今年(まだギリギリ今年だ)の11月にアルバム『Family』をリリースしたばかりのポラリス。あのアルバムを聴いたときも思ったのだが、今のポラリスの肩の力の抜け方は絶妙である。今日のライヴもすごく風通しのよい空間が生み出されていた。メンバー自身によるサウンドチェックから自然と本編になだれ込んでいったこの日、1曲目は“Slow Motion”だった。ドラムの金物が奏でる高音の一粒一粒からギターのディレイの残り香まで、音がすべて気持ちいい。特に、今回ゲストが入り、2本になっていたギターの絡みが絶品。後方から8色の虹色のスポットライトが客席の上方に向かって伸びているのだけれど、どんどんとその光のなかに人が吸い込まれ、その上をヴォーカル・オオヤのファルセットが軽々と飛び越えていく。鳴り続けるディレイの残響からそのまま始まった2曲目は、もはやポラリスのクラシック“光と影”。柏原の作るとてもゆったりとしたグルーヴの上でオオヤの歌う美しいメロディーが踊る。そして、後半戦は先述のアルバム『Family』から。軽快な“檸檬”のイントロと共に手拍子が始まって、空気が少し静から動へと変化し、白眉は最後の“流星”。「ラ~ラ~ラ~」というコーラスが客席を包む大合唱になっていく。ポラリスの音楽は元々ダブや音響を中心に据えたところから始まっている。けれど、最近はもっと自由に、ゆるやかに、ポップ・ミュージックとしか呼びようのない音楽にまで到達してしまった。その美しさはすごく崇高なものを持っている。なんかポラリスによって新年を迎える前に身体を清められたような、そんな本当に素晴らしいライヴだった。(古川琢也)
昇天!
「ポラリス最高! ユラユラ踊りまくってしまいました」
「タイ料理屋のぶっかけご飯、美味しかったです」