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何かをじっと待つような表情のお客さんたちが見つめるステージに、ふわりと登場したSalyu。“プラットホーム”“Tower”などシングル曲を中心に、本当に充実していた今年の活動を振り返る納得のステージを見せてくれた。時折、身体をくの字に折り曲げながら、ひとつひとつの音を丁寧に抱きしめながら歌いあげる彼女。のどを震わせる高音はフロアの天井まで届くように、優しく発される低音は聴き手の全身を揺さぶるように、歌声には彼女しか表現できない美しい波動が満ちている。フロアに立つひとりひとりが、心の中の大切な物語を呼び起こされたように、彼女に歌声を重ねて迎えたクライマックス。いつしかSalyuの目がキラキラと潤んでいたのに、誰もが気づいていたはずだ。(松村耕太朗)