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静かに響き渡るシンセの音がAPOGEEのステージの幕開けを告げた瞬間、今か今かと固唾をのんで待っていた会場から一気に歓声が上がった。そこにリズム隊がのっかり、ヴォーカル&ギター永野の甘い声が流れ出したが最後、そこからはめくるめくAPOGEEワールドへ一気に引き込まれてしまった。その変則的リズムに、あまりにも快楽のツボつきまくりな演奏がからみつく。そしてそこへキラキラの美メロにのせて永野がこちらの心をもてあそぶかのように優しくけぶるように歌う。メンバー全員がクールな顔して他の何にも代えられない高揚感をグングン作り出していくのだ。そのこちらの予想の斜め上を軽々と跳び越していく様は、歯がゆいくらいに爽快だ。最後は会場全体ハンドクラップで“Grayman”。まさしく音楽の快楽に酔いしれた30分だった。(西本佳奈恵)