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COSMO STAGE続いての登場は、APOGEE。パイプオルガンにも似たシンセサイザーの音が鳴り響くと、観客から祝福にも似た歓声があがる。ブラックミュージックやニューウェイブの要素を持つサイケ、という情報量の多い音楽を生み出している彼らだが、ライヴだとそれが荘厳な響きに変わるのが不思議だ。予測のつかない不可思議なメロディと変則的なリズムを叩き出す楽器隊、さらにシンセの機械音と甘くスウィートなヴォーカル永野の声が掛け合わさると、濃密かつ神聖な磁場が生まれるのだ。高揚感にあふれているのに、なぜか姿勢を正さなければいけないような気持ちになるのはなぜだろう。APOGEE独特のスピリチュアルなバイブレーションは、フェスという祝祭空間にこそふさわしいのかもしれない。その美しい快楽の波にうっとりと身を委ねるオーディエンスの姿が心に焼きついた。(上田智子)