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なんとメンバー全員が燕尾服姿でステージに現れたthe ARROWS。そして、Voの坂井竜二の手に握られているのは、指揮棒。そう、今夜のthe ARROWSはクラシック・スタイルである。坂井の指揮でメンバーが一人ずつ音を出した後、「おまえら、踊りおさめにきたんだろ!」という掛け声と共に始まったのは“ナイトコール”。非常に上品な(?)演出で始まったライヴだが、「シェイク・ヒップ・アンド・クラップ・ユア・ハンズ!」という坂井の言葉通り、手を叩き、腰を振ることはバンドも客席も忘れてはいない。そのあとも“マストピープル”“ロックンロールダンシングガール”と、アッパーな曲を連発。けれど、この日の真骨頂は、後半の2曲にあったかもしれない。“さよならミュージック”と“月光の街”。the ARROWSは、フェスにもかかわらず、熱狂のその後について歌わずにはいられない。このバンドには、そうした攻撃的とさえ言える正直さがある。彼らが燕尾服でこの場にやってきた理由が分かる気がした。(古川琢也)