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昨年のCOUNTDOWN JAPAN、今年のROCK IN JAPAN FES.と、出演するたびにバンドの新たな面を見せ付けてきたTHE NOVEMBERS。今日のライブも、どこまでも伸びていく可能性をまたひとつ証明するステージとなった。ギターを高く掲げ、小林の叫び声とともにセットの幕を開けたのは”こわれる”。おなじみの全身モノトーンの佇まいと相まって、フェスの空気を一瞬にしてがらりと変える。THE NOVEMBERSがすごいのは、鋭く研ぎ澄まされた音の断片を容赦なく叩きつけつつも、グルーヴはどっしりとまとわりつくように重厚で、その両立は普通ならば不可能であるということだ。両極端な世界観がぎりぎりのバランスで屹立しているのだ。今日は新曲を2曲披露したのだが、いずれもその2つのばらばらな方向性をさらに広げてみせていた。ギターのアルペジオがきらきらと舞い落ち、ノスタルジアを掻き立てたかと思えば、美しいメロディとフィードバック・ノイズがせめぎ合いながら、突如轟音パートが入るという具合。浮ついたところが一切ない、驚異的な進化を遂げていた。最後の“白痴”では、高くジャンプを決め、鮮烈なイメージを焼き付けてステージを去っていった。(羽鳥麻美)