今年8月にサード・フル・アルバム『To (melt into)』とファースト・シングル『(Two) into holy』をリリースし、新たなフェーズへと突入したTHE NOVEMBERSが、いよいよCOSMO STAGEに登場。サウンドチェックで、ザ・キュアーの“ボーイズ・ドント・クライ”をNOVEMBERS流にカヴァーしていて、それがとろけそうにカッコよくて、本番がますます楽しみになる。暗転すると、青い光と拍手がステージを包み込む。そして小林祐介(Vo&G)の「ようこそ」という声が聞こえて間もなく、1曲目の“永遠の複製”がスタート。じっと見詰めるオーディエンスを前に、小林が時に凶暴な叫びを交えながら、堂々と音塊をぶつけていく。続いては“ニールの灰に”。ずしずしと腹に響くビートと、悲鳴のようなギター、そして小林は叫び混じりに歌い続ける。そんなカオティックな楽曲とは裏腹に、歌い終えるとまっすぐに「ありがとう!」と一言。そして、すぐに“dnim”、“彼岸で散る青”と立て続けに演奏し、己の世界観へと戻っていく。4人で向き合いながら音をかき鳴らし、時に小林が高々とギターを掲げるその佇まいは、万国共通のクールなロックバンドを体現しているようだ。「どうもありがとう。今年は、僕にとって気付きの年だった気がします。覚悟の年だった気がします。歌うように生きていきたいと思った年でもありました。今日ここにいる人……いない人もだけど、楽しい夜になればいいと思います」という小林の、人柄が表れたような真摯なMCから、ラストナンバーの“holy”へ。美しい轟音で脳内が満たされていき、演奏を終えてパッと照明が点いた時は、何だか夢から覚めたような気持ちになった。小林は最後にこう言った。「どうもありがとう。次に会う時まで元気で」――それがありきたりな挨拶ではなく、切実な約束の言葉だとわかるような、生き様が刻まれたパフォーマンスだった。(高橋美穂)
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