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続いては東京事変。広いフロア中が、暫く前からたくさんの人で埋め尽くされている。青い光と電子音が明滅し、場内を異世界に染めていく中、不意に全てが止み、次の瞬間“閃光少女”のイントロと共に、東京事変が眼前に現れた! 2曲目は、椎名林檎が拡声器を持った“OSCA”。ゆったりとステージを歩みながら歌う林檎の姿は、本当に強く美しい。さらに、リリースされたばかりの“能動的三分間”、林檎がギターを手にした“我慢”と畳み掛けていく。“ありあまる富”では、伊澤一葉(Key) の美しいピアノの音色と、伸びやかな林檎の声が溶け合って、感動を場内いっぱいに満たしていった 。そして、スポットライトを浴びた刃田綴色(Dr)が「新曲やります!」と言うと、“勝ち戦”がスタート。そこから林檎が再び拡声器で歌う“FOUL”、刃田のカウントから“キラーチューン”へと続いていく。林檎が手を左右に振ると、いっせいにフロアに手の波が起こる。続く“黒猫堂”では、めくるめく展開にオーディエンスが食らいつくようだった。そして、亀田誠治(B) の「最後の曲さっ!」という一声から、“透明人間”へ。眩しく照らされたオーディエンスをぐるりと指し、「ありがとーう!」と言い残して林檎はステージを降りた。様々な楽曲の世界観を華麗に演じるような、プロフェッショナルなショウ。とても贅沢な時間だった。(高橋美穂)