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暗くなったフロアに時計の秒針が時を刻む音が流れ出し、不穏な空気が漂い始めたCOSMO STAGEにPeople In The Boxの3人が登場。山口(Dr)の「元気ですかー!」というコールから"日曜日 / 浴室"へ。波多野(Vo/G)の澄んだ歌声が、瞬く間に我々の日常をひっくり返し、生々しい狂気に満ちた、深遠なるPITBの世界へと我々を誘っていく。続く最新アルバム『Family Record』からの"ベルリン"では山口の暴力的なドラミングが真っ向からフロアに襲いかかり、次のシングル『Sky Mouth』からの"天使の胃袋"では福井(B)の地を這うようなベースプレイがオーディエンスをがっちりと捉えて離さないといった、緊張感のある展開が続く。しかしMCでは、山口がいつもの調子で「COWNTDOWN JAPAN 10/11、COSMO STAGEに、People In The Boxが来るーー!!(織田裕二のモノマネをする山本高広、もしくはそれをパクるアンタッチャブル山崎風に)」と叫んで会場を和ませた後、「なんと残り時間がわずかになってしまいましたー! それではPITB今年最後のライブ、全力でぶっ殺していきますんで、よろしくお願いしますね!」と、恒例の台詞を口にしてから"完璧な庭"へ。これまでは、演奏中は微動だにせず、曲が終わると同時に拍手喝采というスタイルでライブを見ていたオーディエンスも、山口のMCの効果なのか、手を高く突き上げる。そして同期サウンドのノイズが走る中でプレイされた"旧市街"では波多野のポエトリーリーディングが炸裂し、再び彼らの世界にオーディエンスを引きずりこんでから、メンバー一丸でスリリングなアンサンブルを披露。最後は波多野がステージを動き回りながら恐怖と恍惚の入り混じる激しいギタープレイを見せて、その残響音を置き土産にステージを後にした。(前島耕)