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早くも最終日EARTH STAGEも後半に突入。昨年はGALAXY STAGE・3日目のトリを飾ったサカナクションが、2010年最後の夜を揺らしにやってきた! まずは山口一郎以外の4人が登場してのパーカッション乱れ打ち状態の中、山口一郎が「COUNTDOWN JAPAN!」と高らかな絶叫とともにオンステージ。"Ame(B)"の壮麗なコーラスとシンセのシーケンスが響き渡る! 幕張メッセの巨大な空間すら呑み込む勢いでうねる破格のスケールの音像が、そして草刈愛美&江島啓一の強靭なビートが、満場のEARTH STAGEを大きく揺らす! さらにノンストップで畳み掛けるのは、もはや「サカナクション・アンセム」を超えてロック・フェスの、21世紀の日本ロックの強烈なアンセムとなった"セントレイ"! 3万人のオーディエンスが山口の歌とバンドのサウンドに合わせて手を叩き、歌い、腕を高く掲げて跳びまくる! ハイパーなエレクトロとハード・エッジなロックを織り重ね研ぎ澄ませながら「今、ここで生きるということ」の苦悩や焦燥と真摯に向き合い探求を続けた結果、目もくらむような壮大さと華麗さを備えたエレクトロニック・ダンス・ロック・オーケストラを生み出した――というのがサカナクションというバンドだった。そんな彼ら5人が、名実ともにシーンの牽引者として闘ってきた2010年という年を自ら祝福するかのように、"アドベンチャー"の晴れやかなアンサンブルが爆風のように幕張メッセいっぱいに広がっていく。岩寺基晴の鋭利なギターがミステリアスにビートと絡み合う"Klee"まで一気に駆け抜ける間、EARTH STAGEはずっと激震しっ放しだ。「COUNTDOWN JAPAN、毎年出させていただいてありがとうございます!」と山口。「今日のテーマは"2010年の集大成"と"2011年に向けての攻めの気持ち"」という言葉の通り、続く"ホーリーダンス""マレーシア32"からも、1音ごとに「充実の2010年をオーディエンスとともに祝い合う多幸感」と「明日へ向けての闘争感と連帯感」が増幅されていくのがわかる。岡崎英美のキーボード・サウンドとレーザー光線が弾け飛ぶ"ネイティブダンサー"の神秘的な高揚感! そして彼らの出世作とも言える必殺ナンバー"アルクアラウンド"! 《嘆いて 嘆いて》というメランコリックの極みのような内省的フレーズを、3万人の誰もが「自分のアンセム」として全身で謳歌しまくっている場面は、これまでどんなライブで観たのとも違う、怒濤の感動を与えてくれるものだった。ラストは最新シングル曲"アイデンティティ"で圧巻のクライマックスを描き出して終了!(高橋智樹)