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クリープハイプは2000年代初頭に結成。幾多のメンバー・チェンジを経て、ヴォーカル尾崎世界観の才能に見合うラインナップが揃った2009年以降、磐石の活動を続けている。暗がりの中ステージに現れたメンバー4人。尾崎の「やります!」という潔い一言から“左耳”“NE-TAXI”“ウワノソラ”と三連発。きらびやかなギターフレーズに導かれた人懐っこいポップネスともに連呼する「大嫌い!」のフレーズはやはり快感である。ネガティヴな心情とポップネスからなる感情の解放がクリープハイプの真髄だ。気づけばCOSMO STAGEはもう後ろまでびっしりオーディエンスで埋め尽くされている。ここで尾崎のMC。「この大舞台でも父親の話をしたいと思います」。日頃のライヴでは恒例となっている、父「まさるの話」が何とここ幕張でも(笑)。何たる平常心。お父さんと捨て犬だった飼い犬マルコと警官をめぐる心あたたまる話をしてくださいました。バンドもここで一つ呼吸が整ったのか、さらなるレッドゾーンに突入。特に、エレカシ“ガストロンジャー”ばりの激高語りがギター・ロックの中で炸裂する新曲“身も蓋もない水槽”は、見事なブレイクスルー。そして、その怒りの矛先は「アホな上司」「バイト先のクソ」であるところが、クリープハイプの流儀である。鉄板の“HE IS MINE”では、「ギネス記録更新にどうぞよろしくお願いします!」と呼びかけ、普段のライヴ通り「セックスしよう!」の大合唱。いつも通り、やりたい放題で、COSMO STAGEを制圧したクリープハイプだった。(斉藤知太)