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数々の熱戦が繰り広げられてきた4日間のCOSMO STAGEも、残すところあと1組。大トリを飾ってくれるのは、そう、自称「ロック界の奇行師」=アルカラ! 事前のサウンド・チェックで“夢見る少女でいたい。”を本番さながらのテンションで放出していたもんで、フロアの臨戦態勢は早くも万全。で、開演するやいなや、最新アルバム『こっちを見ている』から“癇癪玉のお宮ちゃん”投下でCOSMO STAGEを熱狂のド真ん中へと叩き込み、「癇癪ダンス! 癇癪ダンス!!」とお客さんも声を限りに叫んで乱舞! スリリングかつ鮮烈なアンサンブルはどこか正気を逸した妖気をたたえていて、聴く者の常識や良識といったものを心地よく溶解させる。「ライヴハウス・幕張メッセへようこそ! COUNTDOWN JAPAN、まだまだ終わらへんでー!」と呼びかけて、ビートの絨毯爆撃ナンバー“マゾスティック檸檬爆弾”が沸点越えのフィーヴァーを巻き起こし、ステージ両サイドを固める田原(G)と下上(B)も玉砕覚悟の激しいアクションで狂騒を煽る。起爆力に満ちたサウンドに加え、続く“デカダントタウン”に顕著なように、歌メロは抜群にキャッチーだったりするもんだから、いやはや全く手に負えない連中である。

中盤、「みんな俺らで最後やと思ってると思うけど……」とステージ袖を指さして稲村、「あそこにSMAPが残ってますんで、最後の最後まで楽しもうぜー!」とアルカラン・ジョークをかまして(場内爆笑!)、「久々にやります、“開脚宣言”!」と、意識をぶっ飛ばすようなへヴィなリズムでフロアは狂喜乱舞状態に! アウトロで「♪夢見る少女じゃいられない!」と巧みに相川七瀬を織り込み、“チクショー”、“ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト”と怒涛のテンションで本編はフィニッシュ。それにも飽きたりないオーディエンスに応えて、アンコールではキュート(?)なスカートを穿いた稲村が「SMAPです!」と登場。「アルカラは今年で10年目を迎えます。初めてアルカラとしてステージに立ったのは2002年の7月。来てくれた人は6人でした。今、(フロアを聴衆が埋め尽くした)この画を見て、とんだハッピー野郎たちの前でやってるんですけど(笑)、胸がいっぱいです。どうもありがとうございます!」と、この時ばかりはシリアスに感謝を届け、「俺、もう2012年心残りないわ! だから2013年もよろしくー!!」と勝手に時空を超えて(笑)、4日間のCOSMO STAGE最終曲“交差点”で熱狂の果てへと一気にラスト・スパート! しかしこのままでは終わらないのがアルカラで、またアウトロで“気球に乗ってどこまでも”のフレーズを織り込み、「♪そこに、何かがぁあぁあぁ~(と強烈なヴィブラート)……アルカラでした! どーもありがとー!」と飄々と大団円! 4日間を締め括るにふさわしい、痛快極まる熱演をサンクス!!(奥村明裕)