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ウルフルズが先日、活動休止を発表したことはみなさんご存知のとおり。というわけで、ロック・イン・ジャパンで彼らの勇姿を見られるのは、今回がひとまず最後となる。GRASS STAGEにぎっしりと集まっている参加者も、ウルフルズというバンドが表現してきた音楽の素晴らしさを、目で、耳で、しっかりと刻みつけようという気合いバッチリだ。そして満を持して現れた彼ら。全員白を基調とした正装でキメていてカッコいい! 「これで見納め! しっかり焼き付けていってくれよ!」というトータスの掛け声の後、ウルフルケイスケが鳴らしたのは……“ガッツだぜ!”!! まさに割れんばかりの大歓声、そして5万人の「ガッツだぜ!」のコーラス! すごい一体感。そして一気に沸騰した熱狂のオーディエンスを前に響き渡るトータスの「イエー!」のシャウト! 日本一有名な「バンザイ」がひたちなかの空気を揺らす。大瀧詠一のカヴァー“びんぼう’94”、「金の切れ目はー?」「縁の切れ目ー!!」でお馴染み“借金大王”。「いつもの十倍くらいの目力で見られてる気がする」という照れ気味のトータスが「とにかく笑えれば」、「サムライソウル」と歌えば、誰もがハートを射抜かれずにはいられないあのバツグンの歌声に会場は吸い込まれ、ステージ上の彼らに釘付け状態に。「自分が歌い始めたとき、ウルフルズを組んだとき、人が歌を聴いて元気になって頑張って生きていこうとする、そういう活動をすることが世の中にいいんじゃないかって思ったと思うんです。いろんなことが起こっても、今ある歌、これからの歌は人の気持ちを良くしていく。その気持ちを忘れずに、これからもやっていこうと思います」。湿っぽくならぬようあくまでも前向きな、それでも涙を禁じえない感動がこみ上げるMCのあとは、“SUN SUN SUN ‘95”“それが答えだ!”とアッパー・チューンで再び盛り上げる。「もし何年かしてまた帰ってきても、このフェスが続いていて欲しいです。また出たいな」と告げたウルフルズの本編ラストは“ええねん”。そしてアンコールで“いい女”。メンバーも、オーディエンスも、顔をくしゃくしゃにしながら、声を張り上げながら歌っている。全11曲、全力で演り抜いたウルフルズ。涙で視界を曇らせるには勿体無さすぎる、一生もののライヴを本当にありがとう!(林敦子)