あの矢沢のすさまじいパフォーマンスの後じゃやりづらいだろうなーとは誰しもが思うことであって、しかしそんな気分を全部跳ね返して空気をまるごと持っていってしまうのがマキシマム ザ ホルモンなのである。なのでこれは完璧な流れ。むしろホルモンにとっちゃオイシイ振りだろう。ナヲが叫んだ「現場は現場なりの100%見せていいですかー！」という言葉に応えるオーディエンスのほうにも一味違う熱気が充満している。当然、今日も彼らは最初っから全速力でロックしていった。アタマ2曲“「F」”“What’s up, people?”でいきなり成層圏まで突き抜けたかと思うと、“ロック番狂わせ”でさらにブースターを点火。後半は“ロッキンポ殺し”から“糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー”、“ロックンロール・チェーンソー”を経て、恒例の恋のおまじない「麺かたコッテリ」のお時間に。これをぶっつけ本番で成功させると（お見事！）息つく間もなく“恋のメガラバ”でクライマックスに突入！　ラストの“握れっっ!!”を神風のように繰りだしてステージを降りる4人はすべてを出し切って満足そうだった。ホルモンのライヴが死ぬほど最高なのはいつものこと、しかし今回はそれに輪をかけて最高だった。バンドのいまの充実した状態とフェスの場の化学反応が、いつも以上のエネルギーを生んだのだろう。やっぱりROCK IN JAPAN、これからもホルモンが欠かせない。（小川智宏）