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昨年に引き続き、レイク・ステージに登場した曽我部恵一BAND。“恋人たちのロック”が鳴らされた瞬間、甘いエモーションがレイク・ステージにぶわあっと広がる。今回もソカバン、王道と呼ぶべき素晴らしい曲がそろったセットリストである。「ひたちなかストーリー!」と曽我部が叫んで、“トーキョー・ストーリー”。「10年目だってね。ロック・イン・ジャパンおめでとう!」の声の後には「キラキラしてるかーい?」と“キラキラ!”。ときに軽やかで柔らかく、ときにタガが外れたように暴走するギターに乗って歌われる曽我部の声はいつだって穏やかで、少し切なくて、心の奥底に優しく触れてくる。今年リリースされた2ndアルバムからは“ハピネス!”“永い夜”を披露。泣いたり笑ったりモヤモヤ悩んだり、それでも毎日を突き進むという青春のほろ苦さが封じ込められていて、くしゃくしゃの笑顔をしながら歌う曽我部の顔がさらに感動を誘う。口笛と客席の手拍子に合わせて聞こえてきたのはおなじみ“テレフォン・ラブ”。シンガロングでたっぷりとお客さんとのコミュニケーションを取ったあとは、“永い夜”“青春狂走曲”“魔法のバスに乗って”とラストまで突っ走る。どこまでもピュアな衝動に突き動かされたソカバンのロックは、聴くたびに心を震わせる不変の輝きを放っているのだ。(林敦子)