いよいよ軌道に乗った、2004年ロック・イン・ジャパン。レイク・ステージのトップバッターのB-DASHが温めるどころか、いきなりステージを燃え尽くしただけに、もうこれからはトコトンいくしかない! なんかわけのわからないテンションで繰り広げられたサウンドチェック(ドラムをあそこまで目一杯に叩き付ける必要って本当にあるの?)を経て、ゴダイゴの“モンキー・マジック”が場内に響き渡る。そして、駆けずり出てきたのはお面をかぶったビート・クルセイダーズのメンバー。のっけから異様なテンションを発している。ドラムのマシータなんかパンツ一丁スタイルだし。「うるさい音楽好きですか~」と客を盛り上げ、お面を脱ぎ捨てる。この瞬間、歓声も一段と上昇。なにしろビート・クルセイダーズが素顔を見せるのはライヴ時のみ。いよいよ始まるのだ。 もう30代半ばだというのに、今年、ミニアルバム『A PopCALYPSE NOW~地獄のPOP示録』でメジャー・デビューを果たしたヒダカトオル率いるビート・クルセイダーズ。今、めちゃくちゃノリまくっているバンドである。そして、その勢いは演奏にバッチリ反映されていた。なにしろトップから『A PopCALYPSE NOW~』の曲を2連発。去年、メンバーを一新したバンドとは思えないほどタイトに演奏されるビークル流にひねくれたポップ・パンクは、既に到来した昼の猛暑を軽く吹き飛ばす清涼感を撒き散らしてくれた。 ザ・ナックの名曲“マイ・シャローナ”の有名フレーズが捻られた新曲“Girl Friday”を挟んだ新生ビート・クルセイダーズのステージはとにかく楽しい。「オマ○コ」を連発したり、若者にはまったく通じないようなオヤジネタ満載のヒダカのMCはもちろんのこと、メンバーひとりひとりの光る個性もかなりの見物。AC/DCのアンガス・ヤングから短パン・スーツだけじゃなく、ステップからヘッドバンギングまでもそのまんま拝借したギターのカトウタロウ、ドラムライザーに上ってはインチキ太極拳を繰り出すラーメンマン・ヘアーのキーボードのケイタイモと、とにかく見ているだけで愉快にさせてくれる。楽曲そのものもいい塩梅にメジャー感が出ていて、ビークルの存在を知らないとしても、彼らの極上ポップソングはすぐにノレる。実際、ビークル初体験っぽいファンもチラホラいたようだが、最後はみんないっせいに拳を振りかざし“Be My Wife”と大合唱。そして終演後「ご清聴ありがとおま○こです」と一言残し、満足そうなヒダカはステージを去っていった。 もうすでにベテランの領域に達しているバンドなのかもしれないが、ビークルの未来はこれからだ。そう確信させてくれる力強いステージだった。お見事。(内田亮) 1. CHRISTINE |
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BEAT CRUSADERS のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ