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スネオヘアーがオフィシャル・パンフレットに直筆で寄せてくれたコメントは「もう借りもないから、楽しみたいな」。そう、一昨年は急病のために無念のキャンセルとなった彼だが、昨年の素晴らしいステージでその借りを返上。そして、今年は、ヘアピンをつけたオチャメな(?)ヘアスタイルで登場。「ビリーズ・ブート・キャンプによる若干の減量が確認されています」というMCで客席を掴み、“headphone music”のしめやかな弾き語りからライヴはスタート。2曲目の“peaky”については「ツアーでアンケートをとったら、1番目か2番目に人気がなかった曲」と紹介するなど、シニカルなスネオ節は全開。けれど、その研ぎ澄まされたメロディーは、この暑さを吹き飛ばす一陣の風のように吹き抜けていく。“ワルツ”、発売されたばかりの新曲“伝えてよ”と、そうしたメロディー・センスが最大限に発揮された楽曲を、容赦ないトークとともに演奏していく。そして、最後に演奏されたのは“打ち上げ花火”。彼のキャリアでは古いほうに入る曲だが、震災に遭った故郷で見てきた花火大会に、スネオヘアー自身、励まされるところがあったという。普段はひねくれている彼がこういうバラードを歌うと、本当にグッと胸に沁みる。(古川琢也)