本人も語っていたように８年目を迎え、すっかり恒例となった渋谷陽一の前説の後、ジョーン・ジェットの楽曲にのって、木村カエラが登場！　自然とオーディエンスからコールが巻き起こるなか、１曲目の“L.drunk”から広大なGRASS STAGEを支配する圧倒的な存在感を発揮。昨年もこのステージに登場してくれた彼女だが、ステージ上での余裕の表情も含めて、その懐の大きさは１年前とは較べものにならなくなったと言っていい。“TREE CLIMBERS”を挟んで演奏された“リルラ リルハ”では、赤いストラトキャスターを提げた姿も堂々たるもの。GRASS STAGEをオーディエンスのハンドクラップで染め上げてみせる。そして、そんな彼女の余裕とメッセージがまさに打ち出されたのが、新曲“Samantha”だろう。この曲が持っている「間」をしっかりと抱きしめながら一つ一つの言葉を歌っていく。「この会場に来て、足の裏を虫に刺された」なんてMCも飛び出しながら、後半のヒット曲の連打は圧巻。最後に演奏されたファースト・アルバムの“You know you love me?”で見せたパフォーマンスの大きさが、彼女の成長をなによりも物語っていた。（古川琢也）