ロック・イン・ジャパン参戦はじつに3年ぶりとなるAIR。活動休止などを挟みつつも、なぜか「久しぶり」という感じがしないのは、その音楽がどんどんさりげなく、自然体のものになってきているからだろうか。この日も、ステージに登場した車谷は白いシャツにジーンズ、そしてアコギというシンプルなスタイルで、さりげなく1曲目“Jamaica”に入っていった。レゲエのリズムがゆっくりと広がっていくのが、とても心地いい。バンド(ドラム、ベース、ギターの3ピース)でのセッションを心から楽しんでいる様子が、その表情からも伝わってくる。そのモードはライヴを通して一貫したもので、たとえば“Put Your Hands Up”のようなヘヴィ・ナンバーでも、ストーンズかストゥージズのような超ストレートなロックンロール“Have Fun”でも、どこかゆったりとしたヴァイブが流れているのが印象的。中盤で持ち出したスティール・ギターも、その雰囲気作りに一役買っていた(出してる音は思いっきりゴリゴリなのだけれど)。「ありがとう」以外はMCもなし、全7曲のセットはあっさりしすぎだと思われるかもしれない。だが、その声、ひとつひとつの音をいつくしむように奏でる姿はやはりAIR。さりげなさのなかに確かな存在感を刻んでいた。(小川智宏)
AIR (Japan) のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ