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最終日もいよいよラスト・スパートに突入! 3日間にわたり若手/新進バンドがしのぎを削ってきたWING TENTのオーラスは、パンク・ロックの未来へと突き進む若手筆頭格Northern19だ! 昨年末のCOUNTDOWN JAPANではMOON STAGEのトリ前を務めた彼らが、この半年で一回り大きくなって帰ってきた。その間にセカンド・アルバム『FROM HERE TO EVERYWHERE』をリリース、その評価をさらに高めてのROCK IN JAPAN参戦である。フェス・オフィシャルTシャツを着込み、オンタイムでステージに現れた笠原(G/Vo)がギターをかき鳴らし、“THE DEPARTURE”を歌い始める。それに導かれるように井村(B/Vo)と馬場(Ds)も登場!! その瞬間、早くもテントの中は最高潮に達した。「ドッカンドッカンいくから、皆さんもドッカンドッカン返してくださいよ!」。笠原のMCにも自信が満ちている。冬と比べても、曲を貫く疾走感やメロディの美しさはさらに加速し、演奏の安定感は増した。ツイン・ヴォーカルのハーモニーも豊か。要するにライヴ・バンドとしてのスケールが、明らかに大きくなっているのだ。「WING TENTの本気って、そんなもんじゃないだろう!?」。さらにオーディエンスを煽り、ドライヴしたまま突っ走る。「大トリですよ、こんな愚民がね。愚かな民と書いて愚民ですよ」……笠原のMCは相変わらずとっちらかっているが、彼らの「音楽を楽しむ」という姿勢、音楽への愛、そしてお客さんへの感謝の気持ちは、何よりも楽曲が雄弁に物語っている。もちろんフロアで拳を突き上げるみんなもそれに全力で応えた。本編ラストで「青春の魂の叫びを聞かせてくれますかー!」と披露された“STAY YOUTH FOREVER”。コーラスの大合唱は、曲が終わってもやむことはなかった。そんな感動的な光景のなかステージに呼び戻された3人。「みんなへのI LOVE YOUを込めて」鳴らされた“CRAVE YOU”と“BELIEVE SONG”。そこに宿る確かなポジティヴィティは、フェスから日常に帰っていく僕たちに、勇気を与えてくれるものだった。(小川智宏)